スタッフブログ 2026年5月(産業用大型ロボット-ゴジラ)
先日、来週のワークサイト見学グループでタイムキーパーを担当される、ITER機構で働く日本人職員の川村さんからお誘いをいただき、日本が誇る産業用大型ロボット「ゴジラ」を見学してきました。
「ゴジラ」は、日本のロボットメーカーFANUC株式会社 の大型産業用ロボットをベースとした設備で、ITER真空容器内部の組立作業に向けた技術開発用プラットフォームとして使用されています。高さ約4メートル、腕を伸ばすと約5メートルにもなる迫力のサイズで、最大2.3トンもの重量物を扱うことができます。
今回は残念ながら作動中の様子は見られませんでしたが、試験用に置かれていた大型パーツやツールを見るだけでも、その圧倒的なパワーを想像させられました。まさに「ゴジラ」という愛称がぴったりです。
産業用大型ロボット「ゴジラ」(写真提供:ITER機構)
産業用大型ロボット「ゴジラ」(写真提供:ITER機構)
「ゴジラ」を眺めるITER日本人職員の川村さん。(写真提供:ITER機構)
FANUC株式会社が製作した「ゴジラ」。会社名が記されています。(写真提供:ITER機構)
ITERでは、真空容器の内側に約2万点もの部品を取り付けていく必要があります。しかし、限られた空間の中で高精度な作業を行わなければならないため、人の手だけで対応することは困難です。そのため、複数の遠隔操作ロボットや専用ツールを組み合わせながら、組立作業を進める計画となっています。
「ゴジラ」は、実際に真空容器内部で作業を行うロボットではなく、本番で使用されるロボット群のための開発・検証設備として活用されています。炉内環境を模した実機大モックアップを用いて、作業性や精度、安全性を事前に確認するほか、搬送、ボルト締結、溶接、切断、検査など30種類以上の専用ツールを迅速に切り替えるための「ツールチェンジャー」の試験も行われています。
さらに、カメラや力・トルクセンサーを活用した遠隔操作技術の検証も進められており、狭い空間の中でも高精度な位置合わせや力制御ができるかを確認しているそうです。
こうして「ゴジラ」で妥当性が確認されたツールや技術は、将来的にITERの「炉内タワークレーン」やBAT(ブランケット組立搬送装置)へ統合される予定とのことです。
「ゴジラ」の詳細はITER機構のITER NEWSLINEをご参照ください。
ITER NEWSLINE|Robots, tools and teams playing in unison(2 Feb 2026)
また、ITER日本国内機関である那珂研でも、ITERで使用されるブランケット遠隔保守システムや関連ツール類の開発・調達が進められています。日本は、ブランケット遠隔保守システムおよびツール類の100%調達を担当しており、ITERの保守・組立を支える重要な役割を担っています。那珂研では、ロボットアームを含む遠隔操作技術の研究開発も行われており、日本の高度なものづくり技術やロボット技術が、ITERの最前線を支えています。
世界中の最先端技術が集まるITERですが、その現場では日本メーカーやITER日本国内機関の技術も重要な役割を担っています。
実際に現地で設備を見ることで、図面や写真だけでは伝わらない迫力を感じることができました。
これからどのようにITERの組立が進んでいくのか、ますます楽しみになった見学でした。
産業用大型ロボット「ゴジラ」(写真提供:ITER機構)
ゴジラ先端部分(写真提供:ITER機構)
ゴジラ先端部分(写真提供:ITER機構)