核融合炉の炉内(真空容器内)に設置され、プラズマに直接面する機器を「プラズマ対向機器」と呼びます。「プラズマ対向機器」にはダイバータや第一壁、リミタと呼ばれる機器があり、このうち核融合炉の真空容器内で最も過酷な負荷にさらされる機器が「ダイバータ」です。
ダイバータによりプラズマ中の不純物を炉外へ効率的に排出することが可能となり、核融合反応が安定して持続可能になる反面、プラズマから出る熱・粒子がダイバータに集中します。ダイバータには優れた除熱性能が求められ、その成否が核融合炉の発電能力を決める重要機器です。
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ITERダイバータ外側垂直ターゲット
高熱負荷試験装置 JEBIS (ジェービス)
試験体は、タングステンモノブロックに冷却管を通した構造です。
試験中、試験体は常に通水状態(強制冷却)です。
20MW/m2の熱負荷を与えた場合、試験体表面は2000℃以上の高温に達します。
試験中、タングステンの表面を4Kカメラ、IRカメラ、2色温度計などで観察し、除熱性能の変化を調査します。
下の動画では、試験中の
「4Kカメラ (=カメラの絞りを効かせた状態での裸眼観察と同等)」
「高速度カメラ(=強発光を低減して表面状態を可視化したもの)」
「2色温度計(=表面温度の分布を放射輝度比から算出したもの)」
「IR(Infrared Rays)カメラ(=表面温度の分布を赤外線強度から算出したもの)」
での観察・計測についてご紹介しています。
4種類のカメラを用いた試験中の表面観察
プレスリリース
QST プレスリリース(令和6年7月31日) |
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表彰
プラズマ・核融合学会2020年度若手学会発表賞(2020年12月4日) |
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文部科学大臣表彰「創意工夫功労者賞」を受賞彰(2018年4月10日) |
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平成28年度 量研機構 理事長表彰 |
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ITER Japan News
第116号(2024年7月5日掲載) | |
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第96号(2023年8月8日掲載) | |
第70号(2022年4月5日掲載) |
参考資料
地上につくる小さな太陽「ITER(イーター)」
Vol.6 ものづくり・日本の調達機器 ダイバータ