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ITER用実機ダイバータ6機製作の契約を締結

 量研は、2021年10月に、ITERダイバータの構成要素の外側垂直ターゲット6機製作の調達契約を三菱重工業(株)と締結しました(図1)。本契約では、全54機のうち初回製作分(初号機~6号機)を担当し、2024年度中に順次完成の予定です。

図1 ITERにおいて用いられるダイバータの構成要素の一つである外側垂直ターゲット

ダイバータは,核融合反応で生成される炉心プラズマ中のヘリウム(He)や燃え残った燃料、不純物を排出し、高熱負荷・粒子負荷を除去してプラズマを安定的に閉じ込めるために必要な、トカマク型装置を採用する核融合炉における最重要機器の一つです。

日本が調達する外側垂直ターゲットのほか、欧州が製作を担当するカセットボディや内側垂直ターゲット、ロシアで製作されるドームの4要素で構成されます。

ダイバータの熱負荷は最大で20MW/m2に達します。これは、小惑星探査機が大気圏突入の際に受ける表面熱負荷に匹敵し、スペースシャトルが受ける表面熱負荷の約30倍に当たります。

構造上プラズマに直面する外側垂直ターゲットは、プラズマからの熱負荷や粒子負荷などに晒される厳しい環境で使用されるため、その構造体は非常に複雑な形状で、高精度の製作・加工技術が要求されます。

量研は三菱重工業(株)と連携し、引き続き高熱負荷、高精度が要求されるダイバータ製作にも取り組むことで、ITER計画を積極的に推進していきます。

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