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第29回ITER理事会が開催

  令和3年11月17、18日に遠隔ビデオ会議によるITER理事会第29回会合が開催されました。会合では、ITER計画の最新の進捗報告と実績指標の評価を行いました。プロジェクトは加盟極の最善の努力による機器納入と、作業サイトにおける据付・組立作業により着実な進捗を維持しています。技術的困難と進行中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響が緊密に監視されており、プロジェクトを進展させるための継続策を実施しています。

加盟極から納入された機器の組立・据付作業を行ったこの2年間の過程において、豊富な経験が得られたことから、理事会は、ITER機構に対し、令和4年6月の次回理事会で検討するために最新のベースラインの更新案を準備するよう要請しました。

本会合では、以下についての報告・議論が行われました。 

  • 理事会は、主要機器の納入の継続と装置組立の進捗を含む、前回の理事会(令和3年6月)以降の重要なプロジェクトの成果を感謝しつつ留意した。
  • ITERの超伝導磁石で2番目となる超伝導ポロイダル磁場(PF)コイル#5がトカマクピットに据付けられた。また、残りのPFコイルの製作も着実に進捗している。
  • 最初の真空容器セクターの組立は、2機の超伝導トロイダル磁場(TF)コイルとサーマルシールドの部品を組み込みつつ完了間近であり、トカマクピットへの最初の据付準備が進んでいる。
  • 現在、2番目の真空容器セクター、最初の2機の超伝導中心ソレノイドモジュール、8機のTFコイルがITERサイトに到着しており、さらに4機のTFコイルが輸送中である。
  • ITERサイトでは、クライオスタット上蓋の全12セクターの組立・溶接が進捗している。
  • その他の主要機器の製作が加盟極の企業で進展中である。
  • 冷却塔、無効電力補償装置、高周波フィルタリングが完成し、プラントシステムに重要な進捗があった。
  • 理事会は、ITER機構及び協力するパートナーが、感染拡大による前例のないプレッシャーとITERのいくつかの初物機器製作における困難に直面していることに留意した。理事会は、全ての加盟極に対し、建設戦略をスケジュールどおり成功裏に実行するために、物納及び現金貢献のコミットメントを果たすよう奨励した。理事会は、ITER機構及び協力するパートナーに対し、現在計画されているとおり2035年の核融合運転を達成するためにあらゆる可能な努力を行うよう要請した。
  • 理事会メンバーは、ITERの使命の価値に対する強い信念を再確認し、ITERの成功を促進させるため、タイムリーな課題解決のために協働することを決意した。また、理事会は、プロジェクトを成功に導くために効果的な協働にコミットしている「One-ITER」チームの取組を賞賛した。理事会は、プロジェクトの実績を引き続き綿密に注視し、現在の達成ペースを維持するために必要なサポートを継続していく。