
スギノマシン・双日マシナリーとQSTがブランケット初期組立ツールの開発で連携
~ITER計画と将来の核融合原型炉の実現に向けて前進~
量子科学技術研究開発機構(QST)、双日マシナリー株式会社、株式会社スギノマシンは、2026年2月9日、ITERプロジェクトで使用する「ブランケット初期組立用ツール」の製作開始について共同でプレス発表を行いました。
今回の取り組みは、ITERプロジェクトの新たな計画に基づき、プラズマ運転開始に向けた重要な工程であるブランケットの初期組立に使用するツールの試作・開発を進めるものです。
当初、ITER機構は初期組立用ツールを自ら開発・調達する計画でしたが、技術的な難易度が非常に高く、開発リスクが課題となっていました。一方、QSTは2011年からブランケット遠隔保守システムの開発・調達を担当し、大型機器を遠隔操作する技術や、高精度な溶接・ボルト締結技術などを確立してきました。こうした実績が評価され、初期組立用ツールについてもQSTが開発を担うことになりました。
今回のプレス発表では、このような経緯に加え、ツールの開発に関わる国内の供給会社である双日マシナリー株式会社と株式会社スギノマシンを紹介し、3者が連携して開発に取り組む技術的・産業的な意義を説明しました。また、ITER計画の概要やブランケットの役割、初期組立の工程、これまでQSTが培ってきた遠隔保守技術についても紹介しています。さらに、すでに製作を開始している初期組立用ツールや、両社のこれまでの実績、本開発に参画することになった経緯についても説明しました。
今後は3者が協力して開発を進め、2030年までにITER機構へツールを納入する予定です。また、この開発で得られる技術や知見は、ITERだけでなく、将来の核融合原型炉の建設や関連産業の発展にも役立つことが期待されています。
ブランケット初期組立とは
ブランケットは、プラズマに直接向き合う「第一壁」と、その背後で中性子を遮る「遮蔽ブロック」で構成されています(図1)。
図1 ブランケット(第一壁と遮蔽ブロック)と遠隔保守用マニピュレータ
初期組立では、クレーンを使用して数トンにもなるブランケット部品を真空容器内へ搬入し、所定の位置に設置します。その後、専用の初期組立用ツールを使ってボルトで固定し、冷却配管の接続や溶接などを行います(図2)。
この作業では、限られた空間の中で、大きな力でボルトを締め付けることや、高精度な溶接・切断作業を安全に行うことが求められるため、高性能な専用ツールが必要になります。
図2 ブランケット初期組立作業のイメージ
スギノマシンの取り組み
株式会社スギノマシンは、原子力施設や発電所向け機器の開発・製作で豊富な実績を持っています。QSTとは2015年から第一壁用遠隔保守ツールの共同開発を進めており、その中で培った技術を今回の開発にも活用しています。
同社は、第一壁と遮蔽ブロックを固定する大型ボルトを締め付けるツール(図3)の製作を担当しています。このツールは、真空容器内の限られた空間でも確実に作業できるよう工夫された設計となっています。
図3 第一壁用固定ボルト締結ツール
双日マシナリーの取り組み
双日マシナリー株式会社は、海外の技術パートナーと連携し、放射線環境など厳しい条件下で使用される機器や技術の導入を進めてきました。QSTは、こうした技術が核融合炉にも活用できることに着目し、2023年からITER向け遠隔保守ツールの共同開発を進めています。
現在は、遮蔽ブロックを固定するボルトを締めたり緩めたりするツール(図4)と、遮蔽ブロックの冷却配管を接続する同軸コネクタを溶接するツール(図5)の開発を進めています。これらのツールにより、狭い空間でも安全で確実な作業が可能になることが期待されています。
図4 遮蔽ブロック用固定ボルト締結ツール
図5 遮蔽ブロック用配管同軸コネクタ溶接ツール
プレスリリースの詳細は、QSTプレスリリース(2026年2月9日発表)をご覧ください。
メディア掲載情報は以下をご参照ください。
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| 2026/2/19 | 日本経済新聞 | スギノマシン社長「菓子加工から核融合まで、国内の人材確保重要」 ● |
| 2026/2/16 | 日本経済新聞 | 仏の核融合実験炉に技術参画 スギノマシン、ボルト固定システム製作 ● |
| 2026/2/12 | 原子力産業新聞 | ITERの重要工程 QST 双日マシナリー スギノマシンら日本の技術が採用 |
| 2026/2/10 | 電気新聞 | 国際核融合プロジェクトITERの重要工程で日本の技術が採用される |
| 2026/2/9 | 日刊工業新聞 | 国際核融合プロジェクトITERの重要工程で日本の技術が採用される |
| 2026/2/9 | PR TIMES(引用元:株式会社スギノマシン) | 国際核融合プロジェクトITERの重要工程で日本の技術が採用される~国内での原型炉実現へ大きなアドバンテージ~ |
| 2026/2/9 | 株式会社スギノマシン | 【ニュースリリース】国際核融合プロジェクトITERの重要工程で日本の技術が採用される ~国内での原型炉実現へ大きなアドバンテージ~(ニュースリリース) |
| 2026/2/9 | 双日マシナリー株式会社 | 国際核融合プロジェクトITER向けブランケット用初期組立機器の製作に着手(ニュース) |