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小さな一歩が大きな成果へ

セクターモジュールの据え付けが前進

2026年5月27日

過去36時間の間に、ITERトカマク組立ピットへ新たな真空容器(Vacuum Vessel)セクターが搬入されました。これにより、9基あるセクターのうち5基、すなわちプラズマチャンバーの半分以上が設置されたことになります。

1,400トンに及ぶセクターモジュール(構成部品および吊り具を含む)をトカマクピットへ降下させる作業には、極めて慎重な操作が求められます。(写真提供:ITER機構)

 大きな目標の達成は、小さな一歩の積み重ねによって実現されます。今週行われたセクターモジュール4号機のトカマクピットへの搬入では、綿密に計画された吊り上げ手順が実施されました。具体的には、事前試験および検証に9時間、ピットまでの移送に12時間、そして最終設置位置への超高精度な着座作業に15時間が費やされました。

ITERで今回の作業を統括した主任建設マネージャーのマチュー・ドゥメイエール氏は次のように述べています。
「今回の吊り上げ作業が成功したのは、作業のあらゆる段階で優れた仕事が行われたからです。入念な準備とチームの迅速な対応力により、作業中に発生したさまざまな課題にも適切に対応し、安全な据え付けを完了することができました。」

吊り上げ前の手順は、5月26日(火)午前6時に開始されました。測量データ(メトロロジー)の確認後、作業員はセクターモジュールと天井クレーンを接続するワイヤーに徐々に張力を加えました。

続いて、モジュールを90mm持ち上げる試験吊り上げが実施され、この段階で一部のセンサーが取り外されました。その後、セクターサブアセンブリ治具内でモジュールを固定していた締結具(ラッシング)が解除され、さらに500mmまで持ち上げる試験が行われました。

吊り上げ開始前には、組立ホール内の仮設指令センターで測量結果とセクターモジュールの重量配分が確認されました。 (写真提供:ITER機構)

 最終的な測量チェックで干渉がないことが確認された後、モジュールは5月26日午後3時直前に治具から引き出され、慎重にトカマクピットへ移送されました。天井クレーンによって降下されたモジュールは、翌27日午前3時には最終設置位置の500mm上方まで到達しました。
その後、センサーの再接続、ラッシングの取り付け、干渉の再確認などが行われました。

最終段階では、セクターモジュールを重力支持装置(Gravity Supports)と正確に位置合わせし、将来の組立作業を支援する「TIPIテーブル」(トロイダル磁場コイル据付治具)に接触させました。その後、ボルトを締結し、5月27日午後6時過ぎにモジュールの全重量が天井クレーンから完全に解放されました。

セクターモジュールの重量をクレーンから解放する前には、完全な位置合わせが必要でした。仮設制御室から監視(写真提供:ITER機構)

今回設置された4号機も、先行するセクターモジュールと同様に、ITERの基準スケジュール(Baseline)より前倒しで据え付けが完了しました。これまでの経験から得られた知見が、効率向上と工期短縮に大きく寄与しています。

例えば、セクターモジュール7号機では、真空容器セクターが治具に搬入されてから2025年4月にトカマクピットへ据え付けられるまでに7.4か月を要しました。一方、今回の4号機では同じ工程が5.5か月まで短縮されました。

セクターモジュール組立プロジェクトリーダーのニコラ・サペ氏は次のように述べています。
「学習効果による効率向上は予想していましたが、その進展は想定以上に速く、今まさに成果として表れています。この進歩は、チームが積み重ねてきた経験と、そこから得られた教訓によるものです。」

セクターモジュールの重量をクレーンから解放する前には、完全な位置合わせが必要でした。仮設制御室から監視(写真提供:ITER機構)

5基目のセクターモジュールが設置されたことで、プラズマチャンバーの約200度分が完成しました。

現在、真空容器セクター4、5、6、7、8号機がトカマクピット内で並んで据え付けられています。6基目のセクターモジュールは今夏に装置の反対側へ設置される予定であり、さらに7基目も年内に据え付けられる見込みです。

吊り上げ作業は、5月26日(火)早朝の作業前ブリーフィングから開始されました。(写真提供:ITER機構)

組立ホールの天井付近から見ると、セクターモジュールがトカマクピットへ向かって静かに移動している様子が分かります。(写真提供:ITER機構)

セクターサブアセンブリ治具からの取り出し作業は、9時間に及ぶ事前手順の完了後に開始されました。(写真提供:ITER機構)

セクターモジュールは、後続の組立工程で位置調整や据え付けを支援する「TIPIテーブル」と正確に接続される必要があります。(写真提供:ITER機構)

セクターモジュールの据え付け成功には、36時間にわたり交代勤務で作業した複数のチームが貢献しました。写真は、5月27日(水)夕方の最終据え付けを担当したチームです。(写真提供:ITER機構)

こちらの動画では、2026年5月26日~27日、36時間をかけて、5つ目のサブセクターがトカマクピットへ配置される様子がご覧いただけます。(1分47秒)

【引用元】
ITER機構サイト ITER NEWSLINE|
Sector module lift Small steps, big results (27 May 2026)