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巨大構造物、精密に着地

慎重かつ精密な作業により、技術者たちは約440トンの真空容器セクター#6の荷重を上部から下部の支持構造へ移行させることに成功しました。

2026年5月11日

重要な節目を達成。真空容器セクター6が初めて重力支持構造上に完全設置(写真提供:ITER機構)

 この初の試みとなる作業は、真空容器組立における重要な節目となります。これにより、このセクターはこれまで荷重を支えていた中央コラムやバイオシールド壁から切り離されました。現在は、クライオスタット基部上に設置された重力支持構造によって完全に下から支えられており、さらにその下側からトカマクの上部支持構造によって補強されています。また、全9セクターが設置され、トーラス溶接が十分に進むまでの間は、安定用クランプによって位置が保持されます。

 荷重移行のプロセスでは、この巨大な真空容器セクターを、わずか3ミリメートルの余裕で正確に位置合わせする必要がありました。その後、支持構造のヒンジ機構を用いてセクターを持ち上げ、下部ポート延長部に接触させます。さらに、部材同士が確実に接合されるようにシム(調整板)を挿入し、最終的にボルトで固定しました。2026年5月5日、セクターの重量は上部の放射ビームから完全に解放されました。

新たな溶接方針により、VVGSへの荷重移行を前倒しで実施(写真提供:ITER機構)

 この作業について、契約管理責任者のVincent Hanser氏は次のように述べています。「事前準備と位置合わせが非常に精密に行われたため、荷重移行中にズレは全くありませんでした。この段階に到達したこと自体が大きな成果であり、ITERチームと請負業者は約2年にわたり多大な努力を積み重ねてきました。」

 当初、真空容器セクターは3つを組み合わせて「トリプレット」として溶接した後に、それぞれの支持構造へ設置する計画でした。しかし、その後、9つのセクターすべてを重力支持に設置した状態で同時に溶接する方式へと方針が変更され、それに伴い設置作業のタイミングも前倒しされることになりました。

荷重移行はトカマクのポートセル内の仮設制御室から監視(写真提供:ITER機構)

 ITERの機器組立プログラム副責任者であるSebastien Koczorowski氏は、「溶接方針の変更は、9つの接合部における収縮を均一にし、変形を抑えるために重要でしたが、その分、組立スケジュールには大きな調整が必要となりました」と説明しています。「今回の成功は、チームの柔軟性や粘り強さ、そして協力して問題を解決する力を示すものです。」

真空容器の重力支持構造や安定化クランプの設置、そして今回の設置作業は、ITERの請負企業であるSIMICが担当しました。最初のセクターの設置完了を受けて、次は2026年7月にセクター7の設置が予定されています。

【引用元】
ITER機構サイト ITER NEWSLINE|
Vacuum vessel sector #6 A soft landing for a giant component (11 May 2026)