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最後の真空容器セクターがITERに到着

記念すべき一章が幕を閉じる

2026年10月5日

 未曾有のコロナ禍にあった2020年7月、ITER機構は、ITERマシンの組立開始を告げる小規模な式典を現地で開催しました。最初の超大型コンポーネントの据え付け作業として、クライオスタットベースの設置が無事に完了。これを皮切りに、トカマクピットの空虚な空間をITERマシンへと変貌させていく、一連の並外れた重量物吊り上げ作業が次々と始まりました。

そして6年後、ITERコミュニティはマシンの製造における新たなマイルストーンを祝うために再び集いました。欧州から最後となる第9番目の真空容器セクターが到着したことで、炉心(コア※)マシンを完成させるために必要なすべてのコンポーネントが、ついに現地に揃ったのです。

10月5日(月)、ITERマシンの最後となる大型コンポーネントの到着を祝し、建設現場に集まった職員や請負企業、国内機関、産業界の関係者たち。短い記念式典が現地で催された。

10月5日(月)、ITERマシンの最後となる大型コンポーネントの到着を祝し、建設現場に集まった職員や請負企業、国内機関、産業界の関係者たち。短い記念式典が現地で催された。(写真提供:ITER機構)

 まだ保護カバーに包まれたままの巨大なコンポーネントを前に、ITER機構長ピエトロ・バラバスキ氏は、10月2日(金)に到着したこの最後の真空容器セクターを「ひとつのモニュメント(偉業の証)」と評しました。
バラバスキ機構長は、「欧州国内機関であるFusion for Energy(F4E)のチームが、この調達プログラムを完遂するために尽力してくれたことに深く感謝します。この最後の真空容器セクターが納品されたことで、マシンの組立作業をスケジュール通りに進めることができます」と述べました。

「真空容器セクター#2は、トカマク炉心(コア)を構成する最後の主要コンポーネントです。これにより、トロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイル、補正コイル、中心ソレノイド磁石、真空容器セクター、そして熱遮蔽体のすべてが、ついにITERサイトに揃ったことになります」
オンラインで中継をつないだFusion for Energy(F4E)のマルク・ラシェーズ局長は、欧州の真空容器調達プログラムについて、ITER機構や他の国内機関との緊密な連携があったからこそ完遂できたものであると強調しました。
ラシェーズ局長は、「私自身にとっても、そしてこれまで関わってきた多くの人々にとっても、非常に感慨深い瞬間です。私たちが成し遂げたことを、心から誇りに思います」と語りました。

集まった関係者に向け、感謝と称賛の言葉を述べるピエトロ・バラバスキ機構長。ITERの一つひとつの節目が国際的な協力によって支えられていることを強調し、「素晴らしい仕事をありがとうございました」と締めくくった。

「ITERで、そして各加盟極の国内機関で皆さんが進めている仕事に、心から感謝します」。集まった関係者に向け、感謝と称賛の言葉を述べるピエトロ・バラバスキ機構長。ITERの一つひとつの節目が国際的な協力によって支えられていることを強調し、「素晴らしい仕事をありがとうございました」と締めくくった。
(写真提供:ITER機構)

 欧州チームは、Ansaldo Nucleare、Westinghouse、Walter TostoからなるAMWコンソーシアム、そして少なくとも15社以上に及ぶ幅広いサプライチェーンとともに、16年以上の歳月をかけた真空容器セクターの製造に取り組んできました。

ラシェーズ局長は、欧州の産業界のパートナーたちへ感謝の意を表するとともに、全9セクターのうち4つの製造を担った韓国国内機関の貢献にも言及。韓国側がその製造過程で培った経験や貴重なノウハウを欧州のチームと惜しみなく共有してくれたことに、深い謝意を示しました。
こうして欧州が担当した5つのセクターは、この2年間の間にすべてITERへと送り届けられたのです。

組み立てられたITERマシンの完成に向けた道程は、まだ半ばにすぎません。真空容器内機器や各種プラントシステム、周辺機器などの納入は今後も予定されており、依然として多くの組立作業が残されています。

しかし、あの記念すべき一章が、今ここで大団円を迎えました。
全9基の真空容器セクターがITERサイトに集結したことで、炉心(コア)マシンの完成に必要なすべての主要コンポーネントが揃いました。世界各地のITER加盟極の工場で、何十年にもわたる開発・製造期間を経て生み出されたパズルのピースが、ついにここに集まったのです。
一つひとつ、並外れた規模のコンポーネントが積み重なり、ITERマシンは着実にその全貌を現しつつあります。

※コア(炉心)マシンには、クライオスタット、すべての超伝導磁石、および熱遮蔽体を備えた真空容器が含まれます。ダイバータやブランケットなどの真空容器内機器は、ここでの定義には含まれません。

欧州で製造された5つの真空容器セクターについては、Fusion for EnergyのWebサイト「Europe's final ITER vacuum vessel sector delivered」をご覧ください。

ステージ上で並び立つ、組立据付プログラムマネージャーのイェンス・ライヒ氏(左)とITER機構長のピエトロ・バラバスキ氏(右)。

ステージ上で並び立つ、組立据付プログラムマネージャーのイェンス・ライヒ氏(左)とITER機構長のピエトロ・バラバスキ氏(右)。背景のスクリーンにはオンラインで参加したFusion for Energy(F4E)のマルク・ラシェーズ局長が映し出されている。(写真提供:ITER機構)

10月5日(月)、真空容器セクター#2から取り外される保護カバー。

10月5日(月)、真空容器セクター#2から取り外される保護カバー。(写真提供:ITER機構)

第9番目、そして最後となる真空容器セクターの到着を祝い、9本の指を立ててポーズをとる欧州国内機関Fusion for Energy(F4E)、物流パートナーのDAHER、そしてITER機構の合同チーム。

第9番目、そして最後となる真空容器セクターの到着を祝い、9本の指を立ててポーズをとる欧州国内機関Fusion for Energy(F4E)、物流パートナーのDAHER、そしてITER機構の合同チーム。(写真提供:ITER機構)

9月中旬にイタリア・モンファルコーネ港を出港し、10月2日(金)にようやくITERサイトへと到着した真空容器セクター#2。

9月中旬にイタリア・モンファルコーネ港を出港し、10月2日(金)にようやくITERサイトへと到着した真空容器セクター#2。(写真提供:ITER機構)

2026年9月上旬、イタリア・モンファルコーネのWestinghouse社の工場にて、出荷前の最終仕上げが行われている真空容器セクター#2。

2026年9月上旬、イタリア・モンファルコーネのWestinghouse社の工場にて、出荷前の最終仕上げが行われている真空容器セクター#2。©F4E

【引用元】
ITER機構サイト ITER NEWSLINE|Delivery milestone
A remarkable chapter draws to a close
(5 Oct 2026)