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ITER職員合格者インタビュー | 難波 裕介さん

ITERに私が活躍できる場所がある、回転機械エンジニアがITERに行くまで

難波裕介さん(2026年3月 ITER機構着任)
合格ポジション:Mechanical Engineer, Rotating Machinery

 これまで回転機械エンジニアとして様々な産業プラントの新設案件に携わってきた難波さん。これまでの専門性をITERに活かすことができると気付く前後の足取りからキャリアの考え方までお聞きしたので、ぜひご覧ください。

インタビュー日:2026年2月16日

大学での専攻・研究内容と
それを学びたいと思った動機は何ですか?

 大学での専攻は流体力学で、研究内容は特殊高圧ポンプの性能向上に関する数値解析や流体実験を行っていました。流体力学に興味を持ったのは、高校生の頃に飛行機のパイロットになりたいと思ったのがきっかけです。
 大学在学中には、英語力向上のためにシドニーへの交換留学をおこないました。この留学チャンスを掴むために、学業に加え英語にも注力していました。1年間の留学期間、前期はオーストラリアの文化・歴史を学び、後期は専門分野である機械工学や流体力学について学びました。留学中、最初の3ヶ月程度は英語に苦戦しましたが、4ヶ月目くらいから少しずつ話せるようになり、1年後にはかなり慣れたと感じています。また、英語力だけでなく、シドニーは多国籍な人種が住んでいる都市であり、異なる環境で育ってきた人たちと過ごすことは非常に新鮮であり、新しい知識の吸収や異なる視点を知る良い時間でした。私にとって、この交換留学はターニングポイントとなっています。
 実際の就職活動時期になると、「海外×英語×流体力学」のポイントでキャリアを考え、海外案件の多いプラント会社の回転機械エンジニアにたどり着きました。 

これまでの経歴とプラントにおける
回転機械の役割を教えてください。

 私はこれまで、日本国内や海外の石油&ガスプラントをはじめ、再エネ・化学・脱炭素等の各種産業プラントの新設案件において回転機械の仕様決定・技術評価・機器発注・図面確認・試験立会・現場の建設/試運転業務等に携わってきました。回転機械の代表的なものとして、ポンプや圧縮機が挙げられます。ポンプは液体を、圧縮機はガスを、A地点からB地点へ輸送または加圧する役割があります。人間で例えると「心臓」に該当し体の細部まで血液を流す役割を持っており、回転機械が止まるとプラントも止まってしまうため非常に重要な機械です。

ITER職員を目指した経緯について教えてください。

 実際に応募する数年前に、情報収集目的でITER職員公募の紹介ページを見ていました。しかしその時は「現地就職+フュージョンエネルギー」という印象が自分には遠く、フュージョンエネルギーの分野では私のポジションが求められることは無いだろうと思い込み、プレエントリーにも登録していませんでした。しかし、その後 LinkedIn を通して、ITER日本国内機関から公募案内の連絡をいただきました。この時に初めて自分の経験に合う採用ポジションがあることを知りました。それから改めてITER計画や採用時の待遇について調べてみると、非常に魅力的な内容であることに気が付きました。
 今考えると、将来的に自分に合ったポジションの募集があるかもしれないという公募の将来性を考えるところまで考えが及んでいませんでした。しかし、ITERプロジェクトはフェーズにより様々な職種の公募があり、その中で自分に適する応募チャンスを得られたのは幸いでした。

最終的にITER職員に挑戦しようと思われたのは
なぜですか?

 第一に、海外で現地就職し国際的なプロジェクトに挑戦したい、という強い気持ちがありました。日本企業からの海外赴任という形ではなく、現地企業の一般社員として多国籍な環境の中に身を置いて、真のグローバルな状況で挑戦してみたいと思っていました。これまでアメリカに駐在した経験はありますが、あくまで日本の組織に属しているので、評価・報告先は日本人であり、日本の組織に引っ張られている意識からは抜け出せませんでした。そうした中、海外の現地の組織に入り、報告も評価も含め、現地の会社の一般社員として働きたいという気持ちが芽生え、いつしか目標となっていました。
 第二に、帯同する家族への待遇が手厚いことが挙げられます。私は妻と子供が3人いるため、家族手当や教育手当が充実していて、かつ子供が3~18歳まで国際学校に無償で通える点は非常に魅力的でした。
 当時、他社のお話もありましたが、多国籍の度合いと、自分のやりたいこと、そして帯同する家族への待遇の厚さから、ITER機構職員になることを決めました。

キャリアに対する価値観を教えてください。

 常に新しいことに挑戦し続けることを大切にしています。海外挑戦の観点では、オーストラリアでの交換留学や中国でのインターンシップ、就職後は複数の海外案件への参画やマレーシアやアメリカへの現地赴任を経験しました。
 技術的観点では、近年は新しい領域として脱炭素や再生可能エネルギーの分野に積極的に関与してきました。今回ITERでの勤務は海外現地就職かつ核融合という新しいこと尽くしの挑戦にはなりましたが、不安よりも期待は大きく、この機会を自分の成長につなげたいと思います。

ITER職員として働く中で
どのようなことを感じていますか?

 ITERでは、出身業界(原子力・石油ガス・電力・化学・研究施設等々)も年齢も全く異なるエンジニアや研究者が世界各国から集まっているため、今までの常識が通用しないことが多々あります。またプラントの建設期間が非常に長く設計担当者が何度も交代していること、プラントの各エリアによって設計進捗が全く異なること、核融合という未知の分野であることが担当機器の発注や設計を進める上で状況を複雑化しています。それでも着実にどうにかプラントを完成させるためには関係者と積極的に対話をして相手の考えや要望を深く理解し最善の策は何なのかを考えることが大切だと感じています。基本的なことですが特にITERのような複雑なプロジェクトでは重要な視点だと思います。
※この項目は、着任後に伺った内容です。

今後、仕事を通じて
どのようなことを実現していきたいですか?

 今世界ではエネルギー資源の覇権争いが常に起きていますが、ITERの実証実験が成功することで、これらの争いが将来的に終結に繋がる可能性があります。私のできることは限られているかもしれませんが、少しでもITERプロジェクトに貢献し、世界のエネルギー事情をより良い方向へ変えていきたいです。 
 そして将来的には、ITERで得た知見や経験を活かして、次の段階として期待されている原型炉の建設・発電実証に関わること、またはITERでの国際的な経験を活かして、国際協力が必要とされる場で活躍したいと考えています。

これからITER機構職員を目指す方々に
メッセージをお願いします。

 ITER計画に少しでも興味がある方で、今は自分に合った公募ポジションが無くても、まずはプレエントリーをして、最新公募ポストの情報を常に得られる状態にしておくことをお勧めします。また、自分に合ったポジションが出てきた際には、是非ITER日本国内機関が提供している応募関連情報や応募支援を十分に活かして積極的に応募してみてください。現地でお会いできることを楽しみにしています。 


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ITER日本国内機関(JADA)では、ITER職員公募に関心をお持ちの方を対象に、登録制度をご用意しています。登録いただいた方には、以下の情報・サービスを提供いたします。

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