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山内優来さん|高校生インターンシップ @ ITER 日記

山内優来さん|高校生インターンシップ@ITER 日記

2026年7月27日~7月31日 ITER機構インターン生

 はじめまして、札幌開成中等教育学校4年生(高校1年生相当)の山内優来(やまうち ゆら)です。この度、7月27日から1週間、Job Shadowingという形でITERインターンシップをさせていただくことになりました。
 私がITERを知ったきっかけは、大阪・関西万博を訪れたことでした。その後、大学時代に核融合研究に携わっていた父から、フュージョンエネルギーの仕組みや魅力について教えてもらい、高レベル放射性廃棄物の発生がなく、高い安全性を備えたエネルギーであることに大きな魅力を感じました。そして、さらに調べるうちに、その実現に向けて世界中の国々が協力して進めているITERに強い関心を持つようになりました。
 私は日本人であることに誇りを持っており、資源や安全性など、日本が抱えるエネルギー問題の解決に貢献したいと考えています。その第一歩として、今回の現地インターンシップへの参加を志望しました。
 インターンシップでは、実際の開発現場や大型装置を自分の目で見て、フュージョンエネルギーに関する技術のスケールの大きさや最先端技術を肌で感じたいと思っています。また、技術面だけでなく、現地で行われる打ち合わせや建設作業の様子を見学したり、働く方々へのインタビューを通して、多国籍協働ならではの魅力や課題についても学びたいと考えています。さらに、この1週間でさまざまな技術や人との関わりを経験し、自分の将来の進路について考える貴重な機会にしたいです。どうぞよろしくお願いいたします!

🌏 Scene 1|ITERとフュージョンエネルギーを知る
インターン1日目

9:00 施設紹介(五味川さん)


今回のインターンシップでは、Engineering Services DepartmentのMechanical & Manufacturing Engineering Sectionに所属されているAssembly Engineerの五味川さんに受入れを担当していただいています。

まず、5階にあるさまざまな展示パネルを見ながら、ITERの施設や、この日見学する装置について五味川さんに説明していただきました。

また、トカマク装置の3D CADモデルを使って、五味川さんの仕事内容についても教えていただきました。フュージョンエネルギーは前例の少ない技術であるため、装置そのものだけでなく、その装置を製作するための機械や技術まで新しく開発する必要があると知り、とても驚きました。


👆トカマク装置の3Dモデルです。模型を見ながら説明を聞いたことで、装置の構造がとても分かりやすくなりました。

10:30 ITERの説明(江里さん)

QSTの現地支援グループの江里さんから、ITERとフュージョンエネルギーについて説明していただきました。基本的な知識から歴史、豆知識まで幅広く学ぶことができ、とても勉強になりました。
特に、日本の技術力の高さを改めて実感しました。例えば、トロイダル磁場コイル19基のうち9基を日本が製作していることや、プラズマを加熱するためのジャイロトロンの開発に日本が大きく貢献していることを知りました。


👆ITERやフュージョンエネルギーについて説明してくださった江里さんとの写真です。たくさんのことを教えていただきました!

また、研究開発だけでなく、日本人職員への生活支援も充実していることが印象に残りました。家族で赴任する場合には、日本語で学べる学校や、日本人スタッフによる生活サポートなどの制度が整っており、仕事だけでなく私生活も安心して過ごせる環境が整えられていることを知りました。
🍽️ Scene 2|日本人職員の皆さんとのランチタイム
12:00 ランチ

日本人職員の方々約20名と一緒に昼食をいただきました。皆さんとても優しく、楽しい時間を過ごすことができました。

それぞれ担当している仕事についてお話を伺うと、全員が異なる分野を担当しており、ITERが非常に大規模で、多くの分野が協力して進められているプロジェクトであることを改めて実感しました。


👆ランチをご一緒した日本人職員の皆さんとの集合写真です。いろいろなお話を聞くことができ、とても楽しい時間でした!
🏗️ Scene 3|巨大設備の迫力を体感した現場見学
13:30 現場見学(五味川さん、Plant & Process Engineering Sectionの川村さん)

最初に制御室を見学しました。たくさんのモニターが並び、施設全体を管理している様子が印象的でした。


👆制御室の見学をしたときの写真です。

次に地下へ移動し、巨大な装置を支えるゴムを見学しました。地震対策もしっかり行われており、安全性を非常に重視していることが伝わってきました。

その後、トカマク装置を見学しました。ちょうどコイルをクレーンで移動している場面を見ることができましたが、動いていることが分からないほどゆっくりと慎重に作業が進められており、安全第一で作業していることがよく分かりました。


👆組立ホールでの写真です。写真では伝わりにくいですが、実際に見ると本当に大きくて圧倒されました!

さらに、メンテナンスを行うロボットも見学しました。フュージョンエネルギーの実験では放射線が発生して周囲の機器が放射化するため、運転停止期間中のメンテナンス作業は人ではなくロボットが担当するそうです。その大きさにも驚きました。

最後に、電気設備やヘリウムタンクを見学しました。どれも普段目にする設備とは比べものにならないほど大きく、ITERのスケールの大きさを実感した一日でした。
🌏 Scene 4|国際協力とキャリアについて考える
インターン2日目

10:00 武田さんのお話


2日目の最初は、Human Resources(人事部)の武田さんから、ITERの存在意義や国際協力についてお話を伺いました。

ITERでは日本、EU、アメリカ、ロシア、中国、韓国、インドの7極、計34カ国が協力してプロジェクトを進めており、その国際性を維持するためには日本人職員を増やすことも重要な課題の一つだそうです。武田さんは、そのために応募者を増やす活動を担当されています。

また、多国籍なチームで働くことのメリットについても教えていただきました。国によってリスクに対する考え方は異なり、「挑戦を重視する国」や「安全性を重視する国」など、さまざまな価値観があります。異なる視点を取り入れることで、より良い判断につながることを学びました。

さらに、国ごとのキャリア形成の違いについても興味深いお話を聞きました。アメリカでは転職を重ねながら専門性を高める人が多い一方、日本では同じ会社の中でさまざまな仕事を経験することが一般的だそうです。それぞれに特徴がありますが、働き方やキャリアの考え方は国によって大きく異なることを知りました。

武田さんはこれまで4つの会社で働いた経験があり、仕事の選び方や将来のキャリアについてもアドバイスをしてくださいました。進路を考える高校生の私にとって、とても参考になる時間でした。

12:00 ランチ



日本人職員の方々と昼食をいただきました。初めて鴨肉を食べましたが、想像していたより食べやすく、おいしかったです。また、付け合わせのポテトや野菜の量がとても多く、フランスらしいボリュームに驚きました。

昼食後には数人の方とカフェでコーヒーやお茶を飲みながらお話をしました。皆さんの大学や学部、現在の仕事に就くまでの経緯を聞くことができ、自分の将来の進路を考えるうえで大変参考になりました。
⚡ Scene 5|原子力発電から学ぶ技術と社会
13:00 原子力発電について(奥川さん)

Assembly Tool Coordinatorの奥川さんから、実際に原子力発電所で働いた経験をもとに、原子力発電について詳しく教えていただきました。

原子力発電には主にPWR(加圧水型原子炉)とBWR(沸騰水型原子炉)の2種類があり、それぞれに特徴があります。福島第一原子力発電所ではBWRが採用されていましたが、津波によって重要な電源設備が被害を受け、原子炉を冷却することができなくなったことが事故につながったと教えていただきました。

一方で、同じ東日本大震災で津波の被害を受けた女川原子力発電所では、設備の配置や安全対策の違いによって安全に停止することができたそうです。このお話から、設備の設計や安全対策が非常に重要であることを学びました。

また、新型転換炉や高速増殖炉など、新しい原子力技術があることを知りました。

日本では福島の事故以降、「核」という言葉に対して不安を抱く人が多く、原子力だけでなく、将来実用化されるフュージョンエネルギーでも同じような課題が生じる可能性があると感じました。技術だけでなく、正しい知識を社会に伝えることも重要だと考えました。


👆原子力発電について教えてくださった奥川さんとの写真です。実際の発電所での経験も含めて、たくさんのお話を聞くことができました。
🔧 Scene 6|品質管理とコミュニケーションが支えるITER
14:30 現場見学(五味川さん)

部品の品質確認を行っている現場を見学しました。協力会社が製作した部品に傷や寸法の誤差がないかを、一つひとつ丁寧に確認していました。

ITERでは非常に高い精度が求められるため、わずかなずれでも組み立てに影響が出る可能性があります。そのため、細かな部分まで確認している様子がとても印象に残りました。


👆部品の品質確認をしている様子です。

15:30 打ち合わせ見学(五味川さん)

最後に、打ち合わせを見学しました。それぞれが進捗状況や今後の予定を共有し、話し合っていました。参加者の半数ほどはリモートで参加しており、対面とオンラインを組み合わせながら仕事を進めている様子を見ることができました。国際プロジェクトならではの柔軟な働き方を実際に知ることができ、とても貴重な経験となりました。