ITERサイトでのITER 組立進捗状況
日本から輸送された2機のトロイダル磁場コイル(TF12及びTF13)がSSAT(サブセクター組立ツール: 40°のサブセクターを組立室で組み上げる巨大なやぐら)上でサーマルシールドの組みあがった真空容器セクター6と一体化する組立が開始されました(図1)。
サブセクター組立ツール上でTFコイルを±1mmの精度で位置調整することに成功し、コイル間支持構造物の組立が始まろうとしています。
図1 サブセクター組立ツール上でのTFコイル組み込み
一方、トカマクピット内では、TFコイルの支持脚の設置、下部ポロイダル磁場コイル(PF#6)の設置(図2)、組立ツール中央支柱の設置(図3、図4、図5)が順調に進み、9月中旬には2機目のポロイダルコイル(PF#5)の仮置きが完了しました(図6、図7)
これらのコンポネントは、サブセクターがおかれはじめるとアクセスできなくなるため、1つ目のサブセクター6の搬入前作業として急ピッチで行われています。
図2 トカマクピットの底にポロイダル磁場コイル(PF#6)が設置
図3 トカマクピット内の組立ツールと中央支柱(イメージ)
図4 トカマクピット内の組立ツール中央支柱(上から)
図5 トカマクピット内の組立ツール中央支柱(ピット内から)
図6 トカマクピットに仮置きされるポロイダル磁場コイル(PF#5)※上から撮影
図7 トカマクピットに仮置きされるポロイダル磁場コイル(PF#5)※ピット内
在来船への積込み後、ストッパーの船底への溶接(図4)やワイヤーによる固縛(図5)を施し、船の揺れによってTFコイルが動かないようにしっかりと固定しました。
また、真空容器セクター7が8月末に韓国から納入され、2機目のサブセクター組立ツールへ設置するための準備作業も進行中です(図8)。
図8 8月末に韓国から納入された真空容器セクター7
同時にセクター7用サーマルシールドの組立準備作業も進んでいます。一方、セクター7用とペアになるTFコイル(TF08, TF09)の組立前準備作業は終了しており、サブセクター組立ツールへの組み込み順番を待っている状態です。
このように、各組立作業及び準備作業は順調に進んでいるものの、日々初めての巨大構造物の高精度組立が行われるので、現場では緊張感をもって作業にあたっています。