ITER ジャイロトロンシステムがITER建設サイトに据付開始
量研は,ITERジャイロトロンとその補機、全8セットをITER機構に納入し、据付を行っています。2021年までにジャイロトロン全8機及びその補機である、準光学整合器、超伝導コイル、ジャイロトロン架台、ジャイロトロンオイルタンク、冷却水マニフォールド、アノード電源及びボディ電源と高速スイッチから構成されるAPS/BPS電源及び制御キュービクルを完成させました。また、2021年より補機、2022年よりジャイロトロン(空輸)のITER機構への輸送を開始し、2024年末にはジャイロトロン8機を含む全補機の輸送も完了する予定です。
一方、ITER機構においては、ジャイロトロンを据え付けるB15と呼ばれる高周波建屋(図1、2)が完成し、まずは電源の据付が始まりました。
図1 赤い丸で囲まれた建屋が「高周波建屋」
ITER建設サイト内の高周波建屋については「ITER機構|高周波建屋」ページをご参照ください。
図2 高周波建屋内部の完成イメージ。
電源、波動発生ジャイロトロン、送電線など、電子サイクロトロン加熱システム用の機器が設置されます
最初は欧州が調達する主電源が1階に据え付けられ、その後、2022年から2階において、量研が調達した補機の一部であるAPS/BPS電源及び制御キュービクルの据え付けが開始、2024年6月頭に終了しました(図3)。
図3 APS/BPS電源の据え付けが完了
最後に、3階においてジャイロトロン架台のオイルタンクの下に据え付けられるオイル受けの据え付け作業が開始されました。導波管の位置とジャイロトロンに接続される準光学整合器の出力位置がずれないように、レーザートラッカーによるジャイロトロン架台の位置だしが行われ、それに合わせて、オイル受けのアンカー打設が行われました。これらの準備作業の結果、6月末からジャイロトロン架台の据え付けが開始されました。今後は、超伝導コイルの据え付けと冷却が行われ、冷却完了後にコイルの軸だし作業、ジャイロトロン上架台の据え付け(図4)、最後にジャイロトロンの据付が行われます。初号器の据え付けは2024年度内に行われる予定です。
図4 ジャイロトロン架台の据え付け準備作業