■ ITER用170GHz-1MWジャイロトロンの2機目が完成試験検査に合格
ITERでは、電磁波でプラズマを加熱する電子サイクロトロン加熱・電流駆動(ECH/ECCD)システムの中核となるジャイロトロン(電磁波発生装置)を24機使用します。電磁波によるプラズマ加熱の原理は電子レンジによる食品の加熱と同じですが、電子レンジは周波数2.45ギガヘルツ、出力600ワットなのに対して、ITERジャイロトロンでは170ギガヘルツ(170GHz)、100万ワット(1MW)です。
ITERのジャイロトロンは24機整備しますが、ITERの日本国内機関である量研では、170GHz-1MWジャイトロン8機の製作を進めています。2018年2月までに4機を完成させ(図1)、2018年10月には1機目の完成検査を終了させました。その後も2機目の完成検査を進めてきており、出力1MWで電力総合効率50%の300秒間連続発振を実証するなど、ITERの要求性能を満足す結果が得られて、ジャイロトロン2機目の完成検査に合格しました(2019年7月)。
図1 量研が開発したITERジャイロトロン実機の写真
(左から、完成検査に合格した2号機、No.1、3、4号機)
図2 ITERにおける電子サイクロトロン加熱・電流駆動装置の概要