国際核融合エネルギー研究センター

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これまでの核融合研究は、JT-60U装置における5.2億度という世界最高温度の達成に象徴されるように、核融合炉に必要な高温高密度状態のプラズマ(図1)を作ることを主な目標にしてきました。JT-60U製作・運転で得られた知見をもとに日本が建設に参加している国際熱核融合実験炉ITER装置では、核融合燃料を燃やし、燃焼を数分間持続させます。しかし、ITER装置では、まだ発電は行いません。ITERの次の段階である原型炉では、いよいよ核融合による発電を定常的に行います。自然界には存在しない核融合燃料(三重水素)の増殖も行います。つまり、原型炉では、核融合反応を利用して発電し燃料増殖を行う技術が必要です。核融合炉のなかで発電と燃料増殖に主要な役割を担うのは炉心を取り囲むブランケット(図1)です。原型炉の製作・運転に成功すれば、核融合炉の実用化は、もう目前です(図2)。

図1 核融合炉の概念図

図2 核融合研究開発の長期計画

国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)は、日欧協力の下に、原型炉の設計ブランケット材料の研究開発(R&D)の調整を進めるとともに、最新鋭の計算機を用いて大規模で高効率な計算を行う計算機シミュレーションセンター(CSC)の運営、日本に居ながらにして、フランスにあるITERを用いた実験に参加できるITER遠隔実験センター(REC)の準備も行っています。

公式サイト : International Fusion Energy Research Centre (英語)

原型炉設計研究

原型炉では、いよいよ核融合発電を行います。自然界には存在しない燃料(三重水素)の増殖も行います。
炉の各部品について日欧の技術の粋を集めて設計しています。

日欧の技術会合を通じて情報交換し、共通の課題について討論しています。

日欧共同で中間設計報告書を完成させました。

ブランケット材料の研究開発

  • 炉心を取り囲むブランケットの中で、自然界には存在しない燃料(三重水素)を増殖する材料や、炉内の過酷な条件に耐える構造材料の研究開発、燃料取扱の研究を進めています。
  • 優れた研究施設を用いて、JET装置(欧州、英国)の第一壁タイルや粉体を分析しています。

計算シミュレーションセンター

高性能の計算機(Bull社製(フランス)1.5 Pflops)を用いて大規模で高効率な計算が可能です。日本と欧州の研究者が計算時間を半分ずつ活用して、核融合科学技術の推進と炉設計に貢献しています。

遠隔実験センター(REC)

高速インターネットを活用し、フランスに建設中のITER装置の実験に、日本に居ながらにして参加できます。

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