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ITERジャイロトロン6号機が1000秒/1MWの運転試験により量研テストスタンドの健全性を実証

 量研では8機のITER用ジャイロトロンの製作が終了し(図1)、うち5機までは性能確認試験が終了、その結果についてITER機構より承認されています。

図1 完成したジャイロトロン8機 2021年12月23日撮影 那珂研究所にて

 また、うち最初の2機については、すでにITER機構に輸送が完了しています。(参照:ITER Japan News 74号「実機ジャイロトロン最初の2機がITER機構に到着」

現在はITERジャイロトロン6号機の性能確認試験が終了したところです。この6号機を用いて1MW/1000秒運転に量研のテストスタンドが耐えられるか、運転試験を実施しました。 ITER機構より、ITER用ジャイロトロンを用いた効率(電力効率50%以上)かつ1000秒運転のデモンストレーションについての依頼があるため、7号機か8号機にて試験を実施する計画です。

今回の1000秒運転試験はその予備試験に該当します。量研のテストスタンドの導波管の冷却は完全ではなく、時間と共に温度が上昇し続けます。このため、7号機及び8号機の1000秒試験に向けて導波管の冷却を強化しました。その効果を確かめるために、性能確認試験が終了した6号機を用いて1MW/1000秒運転(ただし電力効率は44%程度)を実施し、伝送系の温度上昇を調べました。その結果、伝送系のうち最も温度上昇が高いダミーロード手前においても、最大温度は130度程度であり、アルミニウム合金である導波管にダメージを与える可能性がある150度より低い温度となることが確かめられました(図2)。これにより、7号機及び8号機による1MW/1000秒デモンストレーションの準備が整ったと考えらます。

図2 導波管の温度上昇(上)及び、ジャイロトロン出力(下)波形