
緑桜学園 那珂市立木崎小学校で出張授業を行いました
令和7年10月27日(月)、緑桜学園 那珂市立木崎小学校で出張授業を行いました。
参加して下さった木崎小と芳野小2校の5年生、58人の児童の皆さんが4つのグループに分かれ、「トカマク博士の真空講座」「手作りイオン源」「偏光万華鏡」「太陽望遠鏡」の実験の観察や体験をしていただきました。
「トカマク博士の真空講座」では、“真空とはどんな状態なのか”を学んだあと、グループごとに実際に真空を作る実験を行いました。
トカマク博士の真空講座 説明の様子
真空ポンプで容器の中の空気を抜いていくと、風船やマシュマロの形が変化していく様子に、子どもたちは驚きの声を上げていました。
ある児童は「空気があるかないかで、こんなに違うなんてびっくりした!」と話し、別の児童は「宇宙の中もこんな感じなのかな?」と、身近な空気から宇宙空間へと想像を広げていました。
体験後には「もしペットボトルの中の空気を全部抜いたらどうなるの?」など、新たな疑問を次々と投げかける姿も見られました。
トカマク博士の真空講座 実験の様子
続いて行ったのは、空気のある状態と真空状態での電気の流れ方の違いを調べる「手作りイオン源」の放電実験です。子どもたちは自分たちで真空を作り、電気を流して「プラズマ放電」を観察しました。
手作りイオン源で放電実験、今から始まります
放電の瞬間、ピンク色の光がふわっと広がると「わあっ!光った!」と歓声があがりました。
児童の一人は「空気が少ないと電気が通りやすいなんて不思議!」と話し、もう一人は「そういえば、雷もこんな感じで光ってた!」と自然現象と結びつけて考える様子が印象的でした。
緊張とわくわくが入り混じる中、協力しながら真空を作り、科学の力を実感していました。
手作りイオン源で放電実験 実験の様子。ポンプで容器内の空気を抜いて真空状態にしていきます。
紙コップと2枚の偏光板を使って作る「偏光万華鏡」では、光の通り方が偏光板の向きによって変わることを観察しました。
偏光万華鏡 工作の様子
偏光板にセロハンテープを貼ると、見る角度によって色が変わる不思議な現象に、子どもたちは目を輝かせていました。「同じ材料でも角度を変えると違う模様が見える!」「友だちの万華鏡は全然違う色に見える!」といった声があがり、子どもたちはお互いの作品を交換して見比べながら、光の性質への興味を深めていました。
偏光万華鏡 工作の様子②完成した偏光万華鏡を覗き込み観察します。
出張授業当日の那珂市は、秋晴れの青空が広がる絶好の観察日和でした。
太陽望遠鏡を使った観察では、太陽の黒点やプロミネンスについて学びました。
説明の際には、バランスボールと鉄球を使って太陽と地球の大きさの違いを体感してもらい、太陽が放つエネルギーの仕組みをわかりやすく紹介しました。
太陽望遠鏡観察の説明の様子
太陽望遠鏡の観察の前に太陽がどのように見えるかを説明しました。
望遠鏡をのぞいた児童たちは「赤いもやもやが見える!」「これが太陽の炎なんだ!」と大興奮。別の児童は「太陽ってすごく遠いのに、こうして見えるのが不思議」と感想を話してくれました。科学的な観察を通して、身近な太陽への理解が一層深まったようでした。
太陽の説明の様子
この「科学教室」をきっかけに、少しでも核融合やITERに興味や関心を持っていただければ幸いです。今後も出張授業やイベントを通し、核融合やITERについてもっとたくさんの方に知っていただき、興味を持っていただけるよう、活動を続けていきます。
終わりの会の様子