核融合炉は高温・高閉じ込め性能のプラズマ、超伝導などの先進技術を駆使するエネルギー生産システムですが、様々な技術を統合して魅力ある炉概念を構築するのが「核融合炉システム研究」です。
当研究所は日本の核融合研究の黎明期から様々なコンセプトの核融合炉を提案してきました。現在は、今世紀中頃までに核融合発電を実現するため、「核融合原型炉」の研究に取り組んでいます。核融合炉システム研究は、物理・工学をはじめ多くの分野の専門家を必要としますが、現在はBA原型炉設計活動や原型炉設計合同特別チームの活動を通して、核融合エネルギーや生産した燃料トリチウムを取り出すブランケット概念、高温プラズマから壁を保護するダイバータの物理・工学概念、炉心プラズマの物理基盤や制御手法、核融合炉の性能やコストを予測するシステムコードの開発、炉のメンテナンス手法や廃棄物の再利用など、将来の核融合発電プラントの「要」となる研究を進めています。同時に、大学との共同研究や企業の技術者との検討を通して、最新の研究情報や技術を共有し、核融合炉設計の基盤を広げることも重要な活動です。
関連ページ
国際核融合エネルギー研究センター
原型炉設計合同特別チーム
関連サイト
BA 国際核融合エネルギー研究センター 原型炉設計活動 :
http://www.iferc.org/De_Scope.html#Scope (英語)
JT-60SA・ITER物理研究および原型炉設計活動を理論的側面から支援しつつ、トカマク・プラズマの閉じ込め・加熱の特性、核燃焼効果等の超高温炉心プラズマに特有な性質を明らかにする研究を進めています。 また、高度計算科学の応用研究の一環として、数値トカマク(NEXT)計画を進めており、超並列計算手法を駆使した、第一原理に基づく大規模シミュレーションにより、炉心プラズマおよびダイバータ(周辺)プラズマの多面的で複雑な振る舞い(マルチスケール・マルチフィジックス)の解明を目指しています。IFERC-CSC HELIOS計算機を有効利用し、炉心プラズマの理論シミュレーション研究を展開しています。
プラズマ理論シミュレーショングループ 公式ページ :
http://www-jt60.naka.qst.go.jp/theory/index.html