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第28回ITER科学技術諮問委員会が開催されました

 第28回ITER科学技術諮問委員会(STAC-28)が5月10~12日の3日間、DESHPANDE Shishir議長(印・プラズマ研究所)のもとITER参加7極から33名の委員及び専門家を集めて開催されました。前回同様、今回もCOVID-19の影響を考慮し、遠隔ビデオ会議形式で行われました。日本からは小野靖委員(東大)、鎌田裕委員(量研)、上田良夫専門家(阪大)、森崎友宏専門家(核融合研)、大山直幸専門家(量研)が参加しました。

ITER理事会からSTACに求められた今回の任務(チャージ)は、
(1) 統合試験運転、計測システム、プラズマ制御、壁調整を含む初プラズマの進捗状況と計画
(2) 設計と利用の実験的根拠を含む、ディスラプション緩和システム(DMS)設計活動の現状
の2つの項目に対して、ITER機構(IO)の報告を聴取してITER理事会への勧告を取りまとめることです。

STAC委員と専門家はこれらのチャージに対して、2つのサブグループに分かれてIOの報告内容を検討しました。

その結果、(1)については、統合試験運転および初プラズマの計画には適切な順番で統合試験運転に必要なすべての項目が含まれており、この計画は「技術的に達成可能な最良の工程」を示していることに留意するが、現時点では技術工程の実際の実行可能性を確認できないと指摘するとともに、電子サイクロトロン波壁調整の追加といった、壁調整の機能拡張をIOが検討することを勧告しました。

また、(2)については、DMSの設計と適化に費やされた高いレベルで質の高い努力を称賛するが、DMSの性能要件を特定するために必要な科学的理解と、その技術設計および実装の両方に不確実性が残っていることを指摘し、2022~23年に既存のトカマクで計画されている実験の結果、それらの解釈、緊急のモデリング、および主要な技術R&Dの結果をDMS最終設計レビューに組み込むようIOに勧告しました。