ITERサイトでのITER 組立進捗状況
2022年5月、ITERプロジェクトの大きなマイルストーンである一つ目のサブセクター(セクター6)が成功裏に組立室からピットに運ばれました。本サブセクターは、真空容器(韓国製)、真空容器サーマルシールド(韓国製)、2つのトロイダル磁場コイル(2機とも日本製)からなり、吊りジグを合わせると合計1,380トンと本プロジェクトで最も重い機器のハンドリングとなります。
本移動には、吊りジグの持つ位置調整機能によりサブセクターの重心位置を調整しながらリハーサルを繰り返し、機器間の固定や動線の最終チェックと共に作業準備が進められ、計画通り二つの天井クレーン(750トンx 2)を並走しての移動となりました(図1、2)。
図1 サブセクター#6のピット搬入作業
図2 サブセクター#6のピット搬入オペレーション風景
ピット搬入後にピット内位置調整ツールに設置された後、クレーンを切り離し、ミリ単位の位置微調整が行われました。 本マイルストーンの達成によって、ITER主要機器の組立室およびピット同時組立作業に益々拍車がかかっています。続く2体目のサブセクター(セクター7)の組立櫓(SSAT)での組立も進んでおり(図3)、セクター7の真空容器サーマルシールドの組立が完了し、トロイダル磁場コイルのSSAT回転アームへの設置作業が行われ、2体目のサブセクターのピット搬入に向けて急ピッチで作業が進められています。
図3 サブセクター#7 TF09(EU製)のSSAT設置
一方、組立室内では、前述のセクター7のSSAT作業と並行して4月初めにサイトに到着した3体目の韓国製真空容器セクター8および同国製真空容器サーマルシールドのSSATへの設置前準備作業が実施されています。 また、センターソレノイドの組み上げもいよいよ始まろうとしています。メインビルディングの外では、クライオスタット上蓋の現地溶接が3月に完了するとともに(図4)、同月には日本製作の6つ目のトロイダル磁場コイル(TF16)が、5月にはEU製作の7つ目のTF17がサイトに到着しました。このように、サイト内組立活動は活気を帯びている状況です。
図4 クライオスタット上蓋:現地溶接完了