ITERサイトでのITER組立進捗状況について
令和3年4月中旬にSSAT(Sector Sub-Assembly Tool)上に一機目の真空容器(韓国製)が設置され、その後のサブセクター(40°分の真空容器、サーマルシールド、TFコイル2機)のSSAT上での組立が進行中です。
4月末にはインボード側真空容器サーマルシールドの設置が開始され(図1)、8月にはアウトボード側真空容器サーマルシールドの設置が開始されました。その間、ポロイダル磁場コイル(PF6)がマグネットとして初めてピット内に仮設置されました(図2)。
図1 PF6ピット内仮設置
図2 Inboard VV thermal shieldの設置
また、6月には日本から輸送されたTFコイル初号機(TF12)の立て起こし作業が成功裏に実施され、2つあるSSATのうち使用していないSSAT上に仮設置し、初めての立て起こし時のコイル自重変形確認等が行われました(図3、4)。このTFコイルは、縦16.5m、幅9m、重量330tもの超巨大構造物であり、これをSSAT上ではmm単位で組み立てていく計画です。
図3 TF12の立て起こし作業
図4 TF12のSSATへの仮設置
今後、2機目のTFコイル (TF13日本製) をTF12と同様のSSATにのせ形状確認を実施し、真空容器サーマルシールドの組立完了後に組立実施中のSSATに移動させ、サブセクターを組み上げる計画です。
ピット内作業も進んでおり、PF6が挿入された後、7月にはPCR (Pre-compression Ring) が仮設置されるとともに、TFコイル支持脚の本設置も進められ、サブセクターのピット内移動に向けて急ピッチで作業が進められています。
今後もITER組立に向け、各国から続々と巨大構造物のITERサイトへの納入が計画されており、その準備においても活気のある現場となっています。