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第35回ITER理事会が開催

2024年11月20-21日に第35回理事会が開催され、以下についての報告・議論が行われました(図1)。

図1 第35回ITER理事会(写真提供:ITER機構)

ITER 理事会では、以下についての報告・議論が行われました。

  • 2024年における力強い計画の遂行:今回の第35回理事会において、ピエトロ・バラバスキITER機構長は、ITER計画の進捗状況を報告しました。2024年を通して、ITER計画は、提案された新しいベースラインのスケジュールに従い、以前のどの年よりも高い遂行率で実行されました。
  • 提案されたベースライン2024の議論:理事会は、2024年6月の第34回理事会でITER機構(IO)により示された、実質的な研究運転をできるだけ早く開始することを優先する、提案された新しいベースラインについて議論しました。ITER 加盟各極によるこれまでの分析の結果、理事会は、ベースライン2024で提案された全体的なアプローチを承認しました。理事会はITER機構に対して、国内機関と協力し、適切なマイルストーンを伴う段階とステージゲートの確定を通じて、ITER計画のリスクの低減やコストの最適化のための努力を継続することを要請しました。
  • 機器の修理:理事会は、熱遮へい板(TS)の修理がスケジュール通りであることを歓迎し、最初の欧州製の真空容器(VV)と4番目で最後になる韓国製の真空容器が到着したことについて、一部の真空容器の修理完了とともに歓迎しました。これらの成功は、真空容器及び熱遮へい板の不適合に関する専門家パネルの尽力と過去の教訓が共に反映されており、提案された新しいベースラインのスケジュールに沿った、残りの真空容器の納入に向けた計画の能力に関する信頼性を向上するものです。
  • さらなる進展:7月1日に式典を開催したトロイダル磁場(TF)コイルの全機納入に続く、大幅な進展として、理事会は、セクターモジュールの仮組作業、ダイバータ機器の製造、冷凍プラントでのヘリウム液化の達成、高周波棟の完成、最初の電子サイクロトロン加熱用ジャイロトロンの設置準備、低温コイル試験施設の設計完了、ディスラプション緩和システムの設計完了、段階的なライセンスの取得に関するフランス安全規制当局との建設的な意見交換などに留意しました。
  • 民間部門の核融合関連企業への関与:理事会は、適切な知的財産の管理の下、技術視察、ITER機構の専門家との議論、ITERの科学ソフトウェアの公開、ITER文書の共有を監督する民間核融合部門への関与(PSFE)ヘルプデスクを含む、民間主体との知見の共有の仕組みを構築したことを歓迎しました。これらの取組は、2024年5月開催の第1回ITERワークショップに続くものであり、ITERと民間部門の交流を強固にするために、一連のフォローアップ調査と議論がPSFE計画に組み込まれました。
  • ITER加盟極の支持:理事会は、提案された新しいベースラインに対応する2025年のITER予算を承認しました。理事会メンバーは、ITERのミッションの価値を改めて強調し、ITERの成功を促進するために協力することを決議しました。理事会は、人類初の計画における挑戦及び成功に留意し、全ての加盟極が計画の成功を支援するため、現物及び現金貢献を継続的に履行していることに感謝の意を表明しました。

【参考】ITER機構 ITER NEWSLINE より
Support for baseline approach (21 Nov 2024)