緑桜学園 那珂市立木崎小学校で出張授業を行いました
令和6年10月28日(月)、緑桜学園 那珂市立木崎小学校で出張授業を行いました。参加して下さった木崎小と芳野小2校の5年生、42名の児童の皆さんが4つのグループに分かれ、「トカマク博士の真空講座」「手作りイオン源」「偏光万華鏡」の実験の観察や体験をしていただきました。
体育館にて
トカマク博士の真空講座では、『真空とは何か?』の説明を聞いた後、グループごとに「真空」の状態を作ってもらう実験を行いました。 真空講座前半の説明を聞いた児童さんたちに「真空の状態にすると容器の中にある風船とマシュマロはどうなるかな?」と問いかけてスタートした実験では、事前の講義から実験結果を予測して「空気がなくなったら風船もマシュマロもぎゅっとなって小さくなるかも」「ポテトチップスの袋みたいに風船もマシュマロもパンパンになるのかな?」と様々な意見を交わしながら、わくわくした表情でポンプを使って容器の中を真空の状態にして、風船やマシュマロの様子を観察していました。 実験結果を知った後は、「開けてない袋入りのお菓子も同じになるのかな?」と学んだばかりの「真空を通した状態」について想像して、学校の先生に聞いてみたり、トカマク博士に声を掛けたり、活発に活動する姿が見られました。
トカマク博士の真空講座 説明の様子
トカマク博士の真空講座 実験の様子
トカマク博士の真空講座 実験の様子
手作りイオン源を使った放電実験では、イオン源容器に空気のある状態と、空気のない『真空』状態での容器内の電気の流れ方の違いについて調べました。 実験の前に予想を立ててもらった後、実際にイオン源容器内の空気をポンプで抜き、真空状態を作って電気を流す「プラズマ放電」を行い、その様子を観察しました。 事前の説明で雷や静電気についての説明があったせいか、少し緊張した表情で電気を流すボタンを押す児童さんや、ためらいなくボタンを押す児童さん、様々な反応をしながら児童さん同士で協力して真空の状態を作って楽しく「プラズマ」について学んでいただけました。
手作りイオン源で放電実験 説明の様子
手作りイオン源で放電実験 実験の様子
紙コップと2枚の偏光板を使って作る「偏光万華鏡」では、偏光板の向きを変えると光を通したり通さなかったりする光の性質について調べる実験工作を実施しました。 偏光板にセロハンテープを貼る事で光の進む方向が変わって見え方が変わることに驚き、「どうしてこう見えるんだろう?」と考え、周りの友人と相談をする姿が印象的でした。他の児童さんが作った偏光万華鏡と自身の作った偏光万華鏡を交換して観察してみたり、体育館の蛍光灯と体育館の外の自然光では見え方が違うかを考えてみたり、実験を通して抱いた疑問の答えを探そうと熱心に取り組んでいました。
偏光万華鏡 説明の様子
偏光万華鏡 工作の様子
出張授業当日は生憎の曇り空で、実施予定だった太陽望遠鏡での太陽観察を行うことは出来ませんでしたが…、口頭で太陽の説明を行いました。
曇り空のため太陽望遠鏡での観察ができないことを伝えると、児童さんからは「望遠鏡で太陽は見れないよ」の声が上がり、特殊な望遠鏡を使用すると太陽の観察ができること、望遠鏡を通すとプロミネンスや黒点の様子が観察できることを説明しました。当日はバランスボールと小さな鉄球を見せながら太陽の大きさを体感してもらった上で、地上にまで届く太陽のエネルギーはどんな風にできているのか学んでもらいました。
太陽の説明の様子
この「科学教室」をきっかけに、少しでも核融合やITERに興味や関心を持っていただければ幸いです。今後も出張授業やイベントを通し、核融合やITERについてもっとたくさんの方に知っていただき、興味を持っていただけるよう、活動を続けていきます。