第9回ITER協力に関する日韓中・国内機関ワークショップが開催
2024年7月25~26日にITER日本国内機関が主催し、水戸市民会館において第9回ITER協力に関する日韓中・国内機関ワークショップが開催されました。このワークショップは前回会合(第8回会合 2024年1月 中国・合肥市で開催)より対面での開催が再開されると共に、前回会合からのインターバルが6ヶ月と短くなるが従来通り夏季の開催に戻りました。
中国国内機関から10名、韓国国内機関から5名、日本国内機関から10名の合計25名(各国政府関係者及びオンライン参加者を含む)の参加がありました(図1)。
図1 第9回ITER協力に関する日韓中・国内機関ワークショップ参加者
ワークショップでは各国政府代表から自国の核融合開発戦略に関する最新の状況が報告され、続いて各国内機関長からITERの物納機器の製作に関する各国の進捗が述べられました。また、中国国内機関、韓国国内機関、日本国内機関に共通する話題として、テストブランケットシステム(TBS)に関するセッションが設けられ、水冷TBS及びヘリウムガス冷却TBSに向けた機能材や構造材の開発状況について活発な議論が交わされました(図2)。
ワークショップ2日目の第一壁・遮へいブランケット及びブランケット遠隔保守機器に関するセッションでは、6月のITER理事会においてITER機構から提案された新ベースラインにおける主要な設計変更の一つである真空容器内機器の表面材をすべてタングステンとする案に伴い、タングステンアーマを備えた第一壁製作のための接合技術開発や遠隔保守ツールを真空容器内機器の初期組立へ利活用する計画が示されました。
図2 第9回ITER協力に関する日韓中・国内機関ワークショップの様子
また、2日目の午後には量子科学技術研究開発機構那珂フュージョン科学技術研究所のJT-60SA装置及びITER R&D施設(高周波加熱装置、ブランケット遠隔保守試験装置)への視察を行いました(図3,4)。
なお、次回のワークショップは来年7月を目処に韓国国内機関が主催して開催される予定です。
図3(那珂研にて)高周波加熱装置 視察の様子
図4(那珂研にて)高周波加熱装置 視察の様子