ITER TFコイル完成式典の開催
ITER TFコイルの完成記念式典が、2024年7月1日にITERサイトにて開催されました(図1)。
図1 ITER TFコイル完成式典の様子
ITER TFコイルは、予備1機を含めた9機を日本、10機を欧州が調達分担し、全19機を製作しました。
この度これら19機全ての製作、輸送を終え、ITERサイトに納入されたことを記念して、ITER機構(IO)が主催となって式典が開催されました。日本からは盛山文部科学大臣、小安量研理事長、北川マルセイユ総領事、コイル製作者の代表(三菱重工(MHI)岸本副原子力セグメント長、東芝エネルギーシステムズ(ESS)藤塚取締役ら、計8社、18名)が参加されました。また、欧州からは、フラティン伊環境エネルギー安全保障大臣、シムソン欧州委員(ビデオレター)、ラシェーズF4E(欧州のITER極内機関)所長ら、多数が参加されました。
バラバスキITER機構長からは「このTFコイルはまるでSFのよう。超伝導電磁石技術における大きな前進を意味し、ITERプロジェクトの魂そのもの」であると式典冒頭に紹介。それを受け、盛山大臣から超伝導TFコイルの全数納入は「費やされた統合努力」、「技術的ブレークスルー」と称賛を受けました。またシムソン欧州委員は、この日(7月1日)を「世界にとって良い日」と称賛した。量研からは小安理事長が祝辞を述べ、歴代のITER機構長と、ITERに貢献するすべての人々に感謝の意を表されました(図2)。
図2 TFコイル製作への貢献での表彰(右から藤塚東芝常務、松下三菱電機原子力統括室長、盛山文部科学大臣、岸本MHI原子力副セグメント長、小安量研理事長、 小泉前次長(現IOトカマクプロジェクト) 、有沢製作所社長)
バラバスキITER機構長よりTFコイル製作に貢献した企業の代表や個人(日本からはMHI、三菱電機、東芝ESS、有澤製作所、小泉前次長(現IOトカマクプロジェクト)など)を紹介し、その貢献をたたえ、日本の産業界のITERでのプレゼンスを世界に示すこととなりました。
またコイル製造を担当した量研職員(小泉前次長、布谷上席、中本主幹、中平次長ら)の解説付きTFコイル紹介ビデオが紹介され、場を大いに盛り上げました。TFコイルの基本設計はITER工学設計活動期(EDA)になされましたが、この時期にその活動を指揮したユゲ氏(当時那珂共同設計サイト所長)、奥野氏(同超伝導モデルコイル・プロジェクトリーダー)、ミッチェル氏(同超伝導導体プロジェクトリーダー)が出席しており、特別に紹介されその功績がたたえられた。
図3 式典に集ったOBたちと(右からユゲ前那珂共同設計サイト所長、デブレ前超伝導コイルセクションリーダー、奥野前超伝導モデルコイル・プロジェクトリーダー、杉本前日本国内機関長)
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ITER機構|TFコイル完成式典様子のビデオ
(ITER magnet completion event)