核融合実験炉ITER 建設最前線
日本機械学会誌2024年3月号(Vol.127,No.1264)に、特集が組まれ「核融合実験炉ITER 建設最前線」として、ITERの現状の最新の情報を掲載しました。核融合やITERにそれほどなじみはないと思いますが、機械技術の専門家を意識した解説としておりますので、是非ご覧ください。
以下簡単に概要を紹介します。
タイトルをクリックすると日本機械学会誌Webサイトの記事ページが開きます。( )は執筆者です。
- 総論~最近の核融合開発の動向~
(石田真一・大山直幸)
フュージョン(核融合)エネルギーの特徴とこれを用いた時の発電システム、フュージョンエネルギーのある社会を解説しました。
- ITER計画の現状と調達分担概要、人的貢献
(杉本誠・井上多加志・中平昌隆)
ITER計画の歴史、位置づけ、設計概要、現状を解説するとともに、日本の調達分担と人的貢献を紹介しました。
- 超伝導コイルの開発と調達の現状
(辺見努)
ITER超伝導マグネットシステムの概要、日本が調達分担し丁度、昨年2023年に全ての分担分の納入を完了したトロイダル磁場(TF)コイル、主な技術開発を解説しました。
- 遠隔保守ロボットの開発と調達の現状
(武田信和)
核融合における遠隔保守の必要性、ITER遠隔保守計画の概要、日本が調達分担するブランケット遠隔保守システムの概要と開発の現状を解説しました。
- 計測装置の開発と調達の現状
(及川聡洋・石川正男・谷塚英一・今澤良太・野尻訓平・牛木知彦・田中優)
ITER計測装置の目的と概要、日本が調達分担する5つのプラズマ計測装置と、下部ポート統合機器の開発の現状を解説しました。
- プラズマ加熱装置(RF,NBI)の開発と調達の現状
(梶原健・戸張博之)
ITERで日本が調達を分担する二つのプラズマ加熱装置(ジャイロトロン及び中世粒子入射装置)について、開発状況と調達の現状を解説しました。
- ダイバータの開発と調達の現状
(関洋治)
ITERダイバータの役割と構造、日本が調達を分担する外側垂直ターゲットの構造、製造方法、製作の現状を解説しました。
- テストブランケットモジュールの開発と調達の現状
(河村繕範)
核融合におけるブランケットの役割と設計の考え方、ITERでのテストブランケットモジュール(TBM)計画の概要、日本が調達を分担するTBMと補機(冷却、トリチウム回収、中性子計測)を組み合わせたTBMシステム(TBS)の計画および開発・調達の現状を解説しました。
- トリチウム除去システムの開発と調達の現状
(磯部兼嗣)
フュージョンエネルギーシステムにおける燃料循環システムとトリチウムの管理方法、ITERにおいて日本がITER機構と共同調達をするトリチウム除去システムの開発経緯と現状を解説しました。
執筆者の杉本誠・井上多加志・中平昌隆