緑桜学園 那珂市立木崎小学校で出張授業を行いました
那珂研究所では、小学校等へ出向いて小学生向けの講義や実験を行う出張講座を行っています。
令和5年10月26日(木)、緑桜学園 那珂市立木崎小学校で出張授業を行いました。
参加して下さった木崎小と芳野小2校の5年生、49人の児童の皆さんが4つのグループに別れ、「トカマク博士の真空講座」「手作りイオン源」「偏光万華鏡」の実験の観察や体験をしていただきました。
体育館にて
トカマク博士の真空講座では、『真空とは何か?』の説明の後、自身で容器内の空気をポンプで抜き真空状態を作ってもらいました。
「容器の中に風船とマシュマロを入れ、真空の状態にすると何が起きるかな?」
博士の声掛けの後に始まった実験では、事前の講義から結果を予測して「真空になって、もしも風船もマシュマロも爆発しちゃったら怖い…」と少し不安な顔で、容器の空気を抜き始める方が多かったようですが、実験の結果が分かった後はホッとしたのか表情も明るく変わり、学んだばかりの「地球と宇宙の違い」や「真空を通した様々な状態」についてなど活発に意見交換をする姿が見られました。
トカマク博士の真空講座 説明の様子
トカマク博士の真空 実験の様子
手作りイオン源を使った放電実験では、イオン源容器に空気のある状態と、空気のない『真空』の状態の時の容器内の電気の流れ方の違いについて調べました。
実験の前に予想を立ててもらい様々な意見を発表していただいた後、実際にイオン源容器内の空気をポンプで抜き真空状態を作ってもらい、電気を流して観察しました。
(想像した予測と合っているのか?それとも…?)少し緊張した表情で電気を流すボタンを押す方、ためらいなくボタンを押す方、様々な反応をしながら児童さん同士で協力し合い楽しんで学んでいただけました。
手作りイオン源で放電実験 説明の様子
手作りイオン源で放電実験 実験の様子
紙コップと2枚の偏光板を使って作る「偏光万華鏡」では、偏光板にセロハンテープを貼る事で光の見え方が変わることに驚き、感動をする姿が印象的でした。疑問に思った光の見え方の違い等について自分の作った偏光万華鏡を職員に見せながら質問をしたり、スマートフォンの上に偏光万華鏡を置き蛍光灯との見え方の違いを観察したり、他の児童さんが作った偏光万華鏡と自身の作った偏光万華鏡を交換して観察し合ったりするなど、理解を深めようとされたり興味を持って実験を体験していただけました。
偏光万華鏡 説明の様子
偏光万華鏡 工作の様子
当日は天気にも恵まれ、太陽望遠鏡での太陽観察を体験していただきました(晴れて太陽が出ていても雲がかかってしまうと太陽が観察できないのですが、この日はバッチリ太陽を観察することができました!)。特殊な望遠鏡のためレンズ越しに太陽の観察ができることをお伝えすると、「(虫眼鏡とかの)レンズで直接太陽を見たら目が傷つくから見ちゃいけないって先生に言われていたから、こうやって観察したのは初めて!」「絵の具の色みたいに真っ赤だった!」など感動した様子で感想を述べられる児童さんが多かったです。
太陽望遠鏡 準備の様子「今日の天気はバッチリ!」
太陽望遠鏡 体験の様子
この「科学教室」をきっかけに、少しでも核融合やITERに興味や関心を持っていただければ幸いです。今後も出張授業やイベントを通し、核融合やITERについてもっとたくさんの方に知っていただき、興味を持っていただけるよう、活動を続けていきます。