トロイダル磁場コイル9機目(TF19)の出荷準備・台船積み込み
量研は、日本が調達責任を有するITER向けの9機のトロイダル磁場(TF)コイルの製作を進めています。そのうちの5機は、三菱重工業(株)と三菱電機(株)の協力体制で製作を進め、4機を東芝エネルギーシステムズ(株)が製作しています。既に9機中8機がITER機構に納入され、この度、通算9機目、最終号機のTFコイル(TF19 ※1 )が工場より出荷されました(図1)。このTFコイルは三菱重工業(株)が製作した5機目のTFコイルです。
※1…ITER機構でのTFコイル番号
先日、完成報告を行った三菱重工(株)製作のITERトロイダル磁場コイル(TFコイル)最終号機(予備機)が、ITERに向かう準備を行っています。日本からITERへのTFコイル輸送の様子をお届けできるのはいよいよ最後となりました…。
8/23に行われた台船への積込み作業の様子をお届けします。
図1 工場から出荷されたTFコイル(TF19)
まずは作業全体のタイムラプス動画からご紹介します。
台船への配置が完了した瞬間にTFコイル を吊り上げていたワイヤーが、ふっと緩むのでどのタイミングで配置が完了しているかが分かると思います。
TFコイルや作業員の方の動きにもご注目ください。
TFコイル(TF19)艀落とし作業タイムラプス
図2 TFコイルを配置する台船上に木材が敷かれ、積み込みの準備が整いました
吊り上げ作業に使われるU字型の吊り金具(シャックル)をクレーンから伸びるワイヤーに取り付けたら、いよいよTFコイルを吊り上げる作業が始まります。
まずはTFコイルの架台にワイヤーを引っ掛けるための器具(シャックル)を取り付けます。
図3 作業員がワイヤーにシャックルを取り付けていきます。
図4 シャックルをTFコイルの架台に取り付けます
吊り上げ作業の動画をご覧ください(3倍速に編集/音声なし)。
吊り上げる際には、四方向から作業員の方がロープを引いて、絶妙な方向調整が行われています。
TFコイル(TF19)吊り上げ作業(3倍速)
TFコイルが台船に配置されるまでの様子はこちらの動画をご覧ください。
台船の上まで移動してきたTFコイルは、作業員の方々の手によって向きが変えられ、ゆっくりと台船の上に配置されました。
TFコイル(TF19)台船積込み作業(音が出ます)
図5 台船に積み込んだTFコイルは、作業員によって複数個所の溶接が行われます
完了後にTFコイルにシートを掛ける作業があるため、溶接をしている傍らではシートの準備などの作業も並行して進められていきます。
図6 TFコイルの架台を台船に溶接していきます
図7 TFコイルにシートを掛けていきます
少しずつ天気が傾き、風が出てきたため、シートの位置が予定よりも少し流されましたが、無事TFコイルを保護するシートとネット掛け終わり、黄色いラッシングベルト(固定する紐)で固縛され、台船とTFコイルもチェーンでしっかりと固定されました。
図8 TFコイルに保護シートを掛けていきます
図9 保護シートを掛けられたTFコイル
図10 保護シートの上にネットを被せていきます
図11 保護シートとネットを被せ、ラッシングベルト(固定する紐)で固縛されました
日本からフランスに送る最後のTFコイルの台船積み込み作業が無事完了しました。スタッフの皆様の素晴らしい連携により、天気が崩れる前に梱包作業が終わり、本船に向けて出発しました。
図12 TFコイルの台船積み込み作業が完了しました
この後は、本船への積み込み作業が行われます。本船積み込みの様子は次号のITER Japan Newsでお届けします。
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