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ITER職員合格者インタビュー | K・Aさん

初めての転職でITERに掛けた想い
使命感と縁が導いたITER職員という新たなキャリア

合格ポジション:Project and Budget Controls Officer(2024年8月 ITER機構職員採用)

 Aさんは、2015年に新入社員として重電メーカーに入社後、海外営業として火力発電所の契約・予算管理に携わってこられました。インドの火力発電所の建設において、予算・資金・契約管理、客先・ベンダー折衝などの経験を積んだ後、若くして新しい道を切り開いたAさんのインタビューをぜひご覧ください。

インタビュー日:2024年7月11日

インド駐在から縁あってITERに出会う
ITERの存在を知りキャリアビジョンが明確に

 私は新興国のインフラに関わりたいと思い、重工業業界を中心に就職先を検討しました。入社後2年目から出張ベースでインドに行くようになり、4年目の2018年から駐在になりました。もともと海外での勤務希望は出していたので、その希望を叶えてやりがいをもって勤務していました。

                                                                                                                                                                                                                               ITER機構提供(イメージ)

ITERプロジェクトのミッションに心を奪われる

 インドでの駐在も6年目を迎え、帰国後の業務の選択肢を考えるため自社の事業を振り返っている時にITERの存在を知りました。現在担当しているプロジェクトは、いわゆる石炭火力の発電所なのですが、それによって国が発展していくという貢献的な面も感じつつ、一方で今の時代の流れであるカーボンニュートラルという点を考慮すると、世間的には火力発電が良しとされない風潮の中で、自分としてもエネルギー問題をどう解決していくのが良いのだろうと考えていました。

 そんな中、核融合でエネルギー問題を解決するというITERプロジェクトのミッションに心が奪われました。『核融合技術の実証』という未だ実現されていないプロジェクトであること、1ヵ国ではなく7極で協力するという『プロジェクトの壮大さ』にロマンを感じました。核融合エネルギーが実現すればエネルギー問題を解決し得る、その実現に向けて自分に貢献できることがあれば是非参加したいと強く思うようになっていました。社内でのキャリアパスの模索から、結果ITERプロジェクトに出会い、職員公募に臨むことを決めました。

出会った公募に”使命感”を感じ、応募を決意

 私がキャリア構築で大切に考えていることは”困難なことへの挑戦”です。発電所建設プロジェクトに携わる中には、必ずマイルストーンが設けられています。例えば「初めて蒸気タービンが回る」「初めて発電をする」などで、各マイルストーンに向かってチーム一丸で頑張り、それを達成した時はみんなで盛り上がりますし、そこまでの道のりが大変であったほど、達成時の喜びが大きいものです。 
ITERプロジェクトに課されるマイルストーンはひとつひとつが大きな課題であり、ITERのミッションに加え、キャリアで大切にしたいことが体現できる仕事だと感じています。

 いざ応募に際して、私は幸運だったと思うのですが、ITERに興味を持って初めて訪れた公募ページに、今回合格したポジションが既に公開されていました。そこで、即座にJob Descriptionを読んで、直感的にかなり自分の仕事と近しい印象を持ちました。90%くらいマッチしていると感じ、使命感のようなものすら覚えました。
 

                                                                                                                                                                                                                               ITER機構提供(イメージ)

家族の理解を得て臨んだ採用試験

 自分の中ではITER職員に挑戦することを決めたものの、独り身ではないため、独断は出来ませんでした。小さい子供がいる上、すでにインドでの生活が長く、日本に帰国しないままフランスに移ることを了承してくれるか、妻に不安を持ちながら応募の意思を伝えたところ、幸いにも即合意してくれました。
 実は、妻にITER職員応募の相談をした際、日本国内機関が発信するYou Tube動画を一緒に見て、現地生活のイメージを膨らませたのが、彼女の合意の後押しに繋がったようです。複数本の動画を通して、家族で住む街の様子、現地での食生活、子供との生活、休みの過ごし方などが手に取るように分かりました。求める情報が動画で見られたのが何よりも安心材料に繋がりました。
 応募の決め手はITERプロジェクトのミッションに共感したことですが、守るべき家族がいる以上、社会保障や充実した福利厚生などの待遇面もプラスに働きました。

初めての転職活動は
出来る限りの事前準備と国内機関の支援で

 私にとって初めての転職活動、しかも国際機関(英語)ということで、Cover Letter/CVの書き方から勉強が必要でした。応募書類の準備に加え、ITERへの理解を深くするために、核融合関連の本を読んだり、You Tubeを視聴して勉強しました。また、応募ポジションが予算管理でしたので、ITER機構が発行している『Financial Report』を読み込み、現在の財務状況を理解することに努めました。

 私の選考プロセスには、書類選考通過の後に筆記試験がありました。制限時間内にすべてを終わらせることはできず結果を心配しましたが、無事面接に進むことができました。
面接試験では、想定質問の準備と面接トレーニングがとても効果的でした。準備では、日本国内機関のホームページにはこれまでの面接の問題が一部が掲載されていたので、それらをExcelに落とし込み、受験ポジションのJob Descriptionを見ながら自分なりの質問を追加していきました。面接トレーニングは2度ほど実施いただき、本番を想定した形で取り組め、毎回丁寧なフィードバックをもらえたのはとても有難かったです。実際の面接では、緊張からか質問の意図が分からず何度か聞き直したことがありましたが、丁寧に再度説明をしてくださいました。想定質問の準備や面接トレーニングなど、自分なりに準備して試験に臨めたのとそうでないのとでは、心理的に大きな差があったと感じています。

 応募を決断した当初は、ハードルが高い選考だなと感じていたところ、選考段階に応じた日本国内機関の書類添削・面接トレーニングなどの応募支援のおかげで、スムーズに安心して準備を進めることができました。

任期付きの雇用制度を自分の励みに

 日本企業の終身雇用から任期付きの雇用制度へ移る不安はもちろんありましたが、ITER機構はプロジェクト型ですので、任期付き職員であることは想定内でした。5年間という期間の中で、契約更新を含む自分のキャリアを考えながら、組織に貢献していきたいと考えています。具体的には、予算管理のポジションですので、ITER自体のコスト合理性は当然ながら、将来の原型炉・実用化を見据えた核融合発電の経済的合理性を確保するためにコスト意識をもって業務に取り組みたいと考えております。

 将来、任期終了後にITERから他組織へ移る際には、ITERという国際機関で働いた経験は強みになると信じていますので、肩書にかまけることなく、ITER職員として貢献しながら、自分のスキルをしっかりと身に着けて行けるように尽力していきます。
 

ITER職員公募会員登録について

ITER日本国内機関(JADA)では、ITER職員公募に関心をお持ちの方を対象に、登録制度をご用意しています。登録いただいた方には、以下の情報・サービスを提供いたします。

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