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ITERインターンシップ体験記 | 藤原 悠さん

ITER機構での濃密で素敵な半年間

参加時の所属:大阪大学大学院 工学研究科 環境エネルギー工学専攻 博士後期課程 2年
参加テーマ:In-Vessel Neutron Calibration Project
(2025年1月15日~7月4日、6ヶ月間参加)

※本記事はプラズマ核融合学会のITERだよりと同様の内容を掲載しております。


参加経緯と仕事内容
インターンシップで成し遂げたこと

 私は2025年1月から7月初めまでの間、ITER機構のDiagnostics Teamにてインターンシップを実施しました。ITERで過ごした半年間は、私にとってかけがえのない、非常に充実した日々でした。
ITERでは、トカマク型核融合炉の安全運転を目的に、核融合運転中に発生する中性子の挙動を、シミュレーションにより模擬し、その特性解析を行いました。私は博士課程において、医療応用を目的に、加速器から発生するエネルギーの低い中性子の特性解析を行っており、この経験を活かすことができると考え、インターンシップの参加に至りました。

 具体的な仕事内容は、CAD で設計されたITERトカマクモデルのシミュレーションコードへの組み込みと、計算による数値解析の2点でした。大規模で詳細なモデルを作成し、それをベースにスーパーコンピューターを用いて解析するという、普段の研究活動では時間がなくてとてもできないような内容で、大変刺激的でした。何とかインターンシップの期間内でこれらを遂行し、得られた成果を関連するワークショップで報告することができ、大変安堵しています。
 

            居室で撮影した、SupervisorのMariano Giovanni博士との写真。
その他、フランス・イタリア・インド・ロシア人の職員の皆様と仕事をしていました。
 

南フランスでの生活

 本インターンシップを通して、配属チーム、日本人職員の皆様、そして同世代のインターン生と、たくさんの素敵な出会いに巡り合うことができました。チーム内では、週に一度のミーティングで進捗を確認しつつ、日常的に昼食も共にするなど、ほとんどの時間を過ごしました。 
 日本人職員の皆様とは、食事会や各部署の施設見学の機会を通して定期的に交流していました。遠いフランスの地で働く皆様はご家族の方々も含めて志に溢れ、自分の将来のありたい姿そのものでした。
 インターン生とは、住まいのエクサンプロヴァンスやその周辺の街に繰り出して食事や観光を共にするなど、充実したプライベートの時間を過ごしました。夏のヨーロッパは温暖で安定した気候に加え、長い日照時間と観光に最適であり、この期間にたくさんの場所を訪れたことは、人生の財産です。

            日本人職員の皆様と、ハイキングを共にした時の集合写真(最後列黒のシャツが筆者)
南フランスは、その安定した気候と特徴的な地形から、アウトドアに最適な場所だと感じました。
 

インターンシップ期間を経た感想

 本インターンシップは、刺激的なプロジェクトと素敵な人との出会いのおかげで、濃密な6カ月間にすることができました。将来は、ここで出会った素敵な皆様のように、国際的な舞台で活躍する存在になりたいです。そして、これを読んでいる方には是非ITER計画に参加頂き(できれば夏に)、ここでしかできないことを覗いていってほしいと強く願います。

 
            インターン生との集合写真(上段左から3人目が筆者)
同世代ということもあり、ライフスタイルや将来のことなどを話し合う中で、多くの刺激をいただきました。