■ ITER組立開始式典の開催
日本が担当する「トロイダル磁場コイル」の第1号機と第2号機や、欧州が中国の協力を得て完成した第6番ポロイダル磁場コイルなどがITERサイトに到着し、また、韓国が担当する真空容器(図1)がフランスのフォス港に到着し、ITER参加各極が分担する重要機器が続々と南フランスに集結し、ITER本体の組立てが開始されました。
ITER機構は7月28日、組立て開始を記念して組立開始式典を開催し、その様子をライブ中継で世界に向けて発信しました。ビゴITER機構長が建設サイトをライブで案内した後、フランスのマクロン大統領をはじめ参加各極の首脳や閣僚らのメッセージが流されました。
日本からは萩生田文部科学大臣が安倍総理大臣(7月当時)のメッセージを読み上げ「ITER計画が実験炉の組立・据付開始という新たなステージに入ることに心から祝意を表します。気候変動という地球規模課題に立ち向かい、脱炭素社会を実現するには、革新的なイノベーションの創出が必要です。新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりの中にあっても、強固な国際的連帯により引き続き本計画が力強く進展していくよう祈念いたします。」と述べられました(図2)。
量研では、量研東京事務所にて、プレス向けにITER計画の進捗に関する説明会と組立開始式典のライブストリーミング上映会を開催しました。説明会では、ITER機構多田副機構長がITER計画の概要と進捗について、文部科学省研究開発局の新井知彦戦略官が日本の核融合研究開発政策について、量研の栗原核融合エネルギー部門長が、ITERとJT-60SAについて説明しました。この説明会には、報道機関9社から14名が参加し、翌日には新聞各社やNHKにて式典の様子やITER計画の意義について報道されました。
なお、式典の動画は、YouTube ( https://youtu.be/2-7GyVLKE6A )で公開されており、これまでに20万3千回と数多く再生されました(10月1日現在)。