■ トロイダル磁場コイル初号機の完成、完成披露式典の開催
ITER調達機器のひとつ、トロイダル磁場(TF)コイルは、予備を含む19基のうち、9基の製作を日本(量研機構)が担当しています。最初の3基は三菱重工業(株)の二見工場で製作が進められています。2020年1月に最終機械加工及び最終検査の工程を完了し、世界に先駆けて初号機が完成しました。(図1)
2019年2月に開始されたTFコイルの一体化作業では、長さ16.5m、幅約9mという前例のない規模の大型超伝導コイルに対し、ミリ単位での寸法管理が求められました。コイル容器の製作を担当した三菱重工業(株)とコイル巻線部の製作を担当した三菱電機㈱の協力体制の下、約1年で完成させており、両社の生産技術の高さを証明することになりました。
2020年1月30日、ITER機構のベルナール・ビゴ機構長や文部科学省の青山周平大臣政務官、国会議員、関係経済団体の関係者、学識経験者の方々によるご列席、三菱重工の泉澤 清次社長、加藤顕彦執行役員原子力事業部長、量研の平野俊夫理事長らが出席し、「トロイダル磁場コイル初号機完成披露式典」を三菱重工業二見工場にて開催しました。(図2)
式典では、ビゴ機構長はじめ来賓の方々から、人類未踏の性能を求められるITER大型機器の中で世界に先駆けて完成したものであり、ITER計画における大きなマイルストンの達成であるとして高い評価をいただいた。また、式典当日開催したプレス会見には多くの報道機関が参加し、新聞8紙、テレビ5番組の他、多くのWeb記事で取り上げられました。
TFコイル初号機は、2月末に二見工場からITER機構へ向けて出荷されました(図3)。海上輸送及びフランス国内での陸上輸送を経て(図4・図5)、5月にITER機構へ到着する予定です。