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ITERトロイダル磁場コイル1号機 組立の最終工程へ

 



 
 ■ ITERトロイダル磁場コイル1号機 組立の最終工程へ
   

 量子科学技術研究開発機構では、核融合実験炉ITER(イーター)の主要機器であるトロイダル磁場(TF)コイルを製作しています。TFコイルは、核融合反応を起こすために必要な高温のプラズマを炉の中に磁場で閉じ込めるという、とても重要な役割を果たします。イーターでは、予備を含めた19機のTFコイルが必要であり、日本はそのうち9機の製作を担当しています。TFコイルは、高さが16.5m、幅9m、重さが約300トンもある、D型の形をした巨大な機器です。
 超伝導導体などで構成される巻線部と、それを収納するコイル容器から構成されます。コイル容器は外側構造物、内側構造物、内側蓋、外側蓋から構成されており、巨大な電磁力を支えるため、15センチも厚みがあるステンレス製となっています(図1)。

 

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図1 TFコイルの構造

 

 
 現在、TFコイル1号機の製作は、巻線部をコイル容器内に入れ、蓋をコイル容器に溶接するという組立の最終工程を迎えています。
巻線部をコイル容器に入れるにあたって、まずはD型の直線部(図1のAUの部分)が下になるようにコイル容器直線部を床に設置して、そのコイル容器内に巻線部を入れ、その上からコイル容器曲線部(図1のBUの部分)を被せてコイル容器間を溶接で繋げます。その後、各コイル容器用の蓋(図1のAPとBPの部分)の溶接を行いました。金属を溶接すると局所に高い熱が入射し、熱膨張・収縮を繰返す際に変形が起こってしまうのですが、この巨大な金属の構造物で許容できる変形はわずか数ミリであり、高精度の溶接が要求されていました。そこで、変形のバランスをとるために、直線部と曲線部の溶接はほぼ同時に行い、また、機械を使って溶接変形の動きを監視しながら溶接の順番を調整し、この問題を解決しました。自動溶接機6台を駆使することで、約1か月でこの溶接を完了しました(図2)。今後、コイル容器内に樹脂を注入して容器内の隙間を埋め、最終検査を得て、今年中に一体の巨大超伝導コイルが完成する予定です。


 


図2 封止溶接完了後のTFコイル1号機