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低温工学・超電導学会 令和元年度論文賞を受賞

 


 

■低温工学・超電導学会 令和元年度論文賞を受賞


 5/29、2019年度春季第98回 低温工学・超電導学会研究発表会(於:茨城県つくば市)においてITERプロジェクト部超伝導磁石開発グループの櫻井研究員らが論文「極低温におけるオーステナイト系ステンレス鋼の破壊靭性値とオーステナイト相の安定度との相関」に対して令和元年度論文賞を受賞しました。
 オーステナイト系ステンレス鋼は極低温においても靭性が低下しにくいため、液化天然ガスタンクや超伝導設備に使用されており、ITER トロイダル磁場(TF)コイルの構造材料としても約5,000トンが使用されています。ITER TFコイルは-269℃という極低温で運転されるため、その温度における引張強度と破壊靭性値が設計要求に含まれていますが、特に破壊靭性値は予測が難しく、かつ極低温で測定するためには多くの時間と費用が掛かっていました。
 櫻井研究員らはオーステナイト系ステンレス鋼の相変態に着目し、実機大試作材及び複数の製造方法や化学組成で製作されたオーステナイト系ステンレス鋼材の極低温での破壊靭性値を取得及び評価しました。その結果、化学組成と結晶粒度から求められるオーステナイト相の安定度(Md30)との間に強い相関を持つことを見出し、相関式の提案を行いました。検証の結果、Md30を指標に製造した材料の実際の化学組成から求められる予測値の誤差は-2.1, 1.3%でした。これにより簡便かつ精度良く破壊靭性値を予測できることを実証しました。


 
図:論文賞を受賞した超伝導磁石開発グループ
(左から小泉次長、櫻井研究員、井口主任研究員、中平グループリーダー)