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アジア国際低温材料会議/低温工学・超伝導学会記念会議にて優秀ポスター発表賞を受賞

■ 核融合エネルギー研究開発部門の尾関研究員が第1回アジア国際低温材料会議/
 低温工学・超電導学会50周年記念会議にて優秀ポスター発表賞を受賞

 核融合エネルギー研究開発部門那珂核融合研究所ITERプロジェクト部超伝導コイル試験
グループの尾関秀将研究員が、2016年11月7日~10日に金沢歌劇座にて行われた「第1回
アジア国際低温材料会議/低温工学・超電導学会50周年記念会議 (1st Asian ICMC and 
CSSJ 50th Anniversary Conference)」において、「Asian ICMC Outstanding Poster 
Presentation Award (優秀ポスター発表賞)」を受賞しました。

 発表件名:「Evaluation of Inductive Heating Energy of ITER TF Conductor by 
Calorimetry (ITER TFコイル用導体の熱量法による誘導加熱エネルギーの評価)」 )

 トロイダル磁場(TF)コイルは、核融合プラズマを制御するための強磁場を発生させる、
高さ14m、幅9m、重さ300トンという巨大な超伝導コイルです。ITERでは18個のTFコイルが
ドーナツ状のプラズマを取り囲みます。TFコイル用導体とは、TFコイルに使われる超伝導導体
です。TFコイル用導体は、その超伝導状態を維持するために、約-269℃の状態を+1℃の
許容温度上昇の範囲内で維持しなければなりません。
 一方、核融合炉では、プラズマの崩壊現象が生じた際に、TFコイルを含むプラズマを取り囲む
周辺機器に誘導加熱が起こります。ここで誘導加熱とは、一般家庭でもよく使われるIH調理器具
と同様な原理による加熱現象です。この誘導加熱がTFコイル用導体に起こると、TFコイル用導体
の温度が上昇し、条件によっては超伝導状態が維持できなくなる可能性があります。従って、
誘導加熱による加熱エネルギー量について知っておく必要があります。
 本研究では、核融合炉でのプラズマ崩壊と同等の高周波による、TFコイル用導体の誘導加熱
エネルギー量について、熱量法と呼ばれる方法により実験的に明らかにしました。 

(尾関研究員の受賞コメント)
 この度は初のアジア国際低温材料会議という栄えある会議において、Asian ICMC 
Outstanding Poster Presentation Awardを頂きましたことについて大変光栄に存じます。
 今回の研究にご協力頂きました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。今回の受賞を励みに、
ITERの調達活動に貢献する研究成果の創出のため、今後も研鑽を積んで参ります。  
 

 

図1 核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 ITERプロジェクト部 
超伝導コイル試験グループの尾関 秀将 研究員