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ITER建設サイトの状況(2022年6月現在)

トカマク建屋外観(撮影:2022年6月)

ITER建設サイトの建設が順調に進んでいます。

ITER建設サイト全景

右側の赤いクレーンの奥では、中性粒子ビーム電源のインフラ整備が進んでいます。

クライオプラント

タンクの約80%の液体窒素が供給され、いよいよクライオプラントの試運転が開始されました。クライオプラントは超伝導コイルなどのトカマク装置を冷却するための液体ヘリウムと液体窒素を生産する必要不可欠な施設です。

組立建屋内部では、一つ目のサブセクターの移動準備が始まります!

総重量 約1380tのサブセクターがいよいよトカマクピットへ大移動を始めます。5/5に行われた吊り上げテストでは、サブセクターが組立ツールから約50㎝上に持ち上げられ、機器に問題が起こっていないか、持ち上げた機器を許容範囲内に停止させる事ができているかどうか確認を行い、トカマクピットへの大移動本番に臨みました。

サブセクターの設置イメージ

吊り上げテストの様子

サブセクターの設置イメージ

吊り上げテストの様子

サブセクターの設置イメージ

吊り上げテストの様子

吊り上げテストの動画(1:31)では、総重量 約1380tのサブセクターが、組立ツールから約50㎝上に持ち上げられる映像がご覧いただけます。

一つ目のサブセクターがいよいよトカマクピットに移動

いよいよ大移動本番です!
サブセクターは、440tの真空容器セクター、日本が製作を担当した360tのトロイダル磁場コイル2つ、サーマルシールドが一体化した、ITERの心臓部に設置される非常に高い製作精度が求められる機器です。 5/11、12の2日掛けてトカマクピットの中へと移動していきます。

サブセクターの設置イメージ

サブセクター組立ツールの上に立っているスポッターと呼ばれるスタッフが、トランシーバーでリフト担当のスタッフと確認を取り合っている様子です。

サブセクターの設置イメージ

総重量が約1380tの機器の吊り上げ作業のため、遅いくらいゆっくりと慎重に作業が進められました。

サブセクターの設置イメージ

長い間組立ツールの中に収められていた巨大な機器の姿が目視で確認できるようになりました…!!写真を撮影したのは杉本誠ITER日本国内機関長。現場の緊張感が伝わって来るようです。

この動画(3:32)では、総重量 約1380tのサブセクターが、ミリメートル以下の精度でトカマクピットに配置される迫力満点の映像がご覧いただけます。

サブセクターの設置イメージ

天井クレーンで吊り上げられたサブセクターがゆっくりと移動を開始しています。

サブセクターの設置イメージ

所定の位置まで移動した後、上空で90度回転してトカマク建屋に向かいます。

サブセクターの総重量はフル装備の「ボーイング747」4機分に相当します。持ち上げるのは組立建屋上部に設置されている天井クレーンです。

サブセクターの設置イメージ

実際は実物大のガンダムと同じくらいの高さの非常に大きな機器です。 サブセクターの底面部分は、吊り上げられたこのタイミングでなければ見ることができない貴重な1枚です。

サブセクターの設置イメージ

建屋の天井には耐荷重750トンのクレーンが2基設置されていて、吊り上げ時は荷重が表示されます。

サブセクターの設置イメージ

4つのフックそれぞれが約345tの荷重を支え、トカマクピットへの移動を行います。サブセクターがいよいよトカマク建屋にたどり着きました!

サブセクターの設置イメージ

サブセクターと床との距離は何とたったの20cmしかありません…!!クレーン操縦の作業員の方の職人技が光ります。

サブセクターの設置イメージ

無事トカマクピットの真上にたどり着きました…!このあと、中央の支柱と壁面にぶつからないよう慎重にピットの中に下ろされていきます。

サブセクターの設置イメージ

トカマクピットの中に巨大なサブセクターが下ろされていきます。下降時は7cmの隙間を確保しながらの作業でしたが、振り子効果で揺れが生じるため、隙間が5cmしかない瞬間もあったそうですが、操縦された方の職人技で、このまま無事所定の位置まで下ろされました。

サブセクターの設置イメージ

いよいよ!サブセクターがトカマクピットの中へと下ろされていきます。

サブセクターの設置イメージ

今回、一つ目のサブセクターが配置されますが、これが9個配置されるとみかんのような形になり、綺麗なドーナツ状の形の ITER装置に変身します。

サブセクターの設置イメージ

最初のサブセクターがトカマクピットに到着しました。これはITERにとっても、人類にとっても大きなマイルストーンです!

サブセクターの設置イメージ

サブセクターは、トカマクピット内に設置されたトロイダル磁場コイル(TFコイル)を支える重力支持脚に向かって慎重に下ろされていきます。

サブセクターの設置イメージ

作業は目視確認だけでは行われません。ピット内の様々な場所に設置されたビデオカメラを作業員の方々が念入りに確認して作業が進められました。ピット内には全部で7台のカメラが設置されたそうです!

サブセクターの設置イメージ

トカマクピット内に到着したサブセクター、最終的な配置に近づいています。所定の位置に下ろされた後、現在も調整が続けられています。足場の設置が出来ないので、ロープアクセス技術者がスパイダーマンように計測用のポイントを設置するために活躍しています。

サブセクターの設置イメージ

足場が沢山設置される中、中央の支柱との距離を調整するなど、引き続き微調整が進められています。

サブセクターの設置イメージ

トカマクピットの中にサブセクターを降下させる作業には、たくさんの作業員の方が活躍しました。中央の支柱から目視確認をするスタッフ。

サブセクターの設置イメージ

とうとう所定の位置に配置されました!

2つ目のサブセクター組立

組立ホールでは、2つ目のサブセクターの組立が順調に進んでいます。

サブセクターの設置イメージ

4月末にEU製作のTFコイルが垂直に起こされました。床には、この後、真空容器セクターに取付けられるサーマル(熱遮蔽)シールドが準備されています。

サブセクターの設置イメージ

サブセクター組立ツールの右側にEU製作のTFコイルが配置されました。このあと、左側に日本製作のTFコイルが配置されます。

ITER中心ソレノイドの組立専用エリア

重さ約1,000tの世界最強の磁石ITER中心ソレノイドはモジュールを6つ積み重ねて組み立てます。

中心ソレノイドはモジュール

左上のピンクの保護フィルムに包まれているのが、ITERに到着した1つ目の中心ソレノイドモジュールです。組立準備中です。撮影場所:組立ホール