一つ目のサブセクター組立が開始「真空容器セクターがサブセクター組立ツールへ」
3/26に水平から垂直になった真空容器セクター(VVS)#6 は、4/6、二つの天井クレーンによって吊り上げられ、高さ20m上昇後、V字型の開口部からゆっくりと下降し、サブセクター組立ツールに配置されました。
重さ440トンの真空容器セクター(VVS)#6がゆっくりと持ち上げられていきます。
真空容器セクター(VVS)#6は10年の年月をかけ韓国が製作しました。
真空容器セクターがゆっくりとサブセクター組立ツールに下降すると、白い作業服を着たオペレーターがサイズを指示しています。
サブセクター組立ツールの支持体に合体しているラジアルビームに支えられ、真空容器セクターが所定の位置に配置されます。
サブセクター組立ツールに配置された真空容器セクター#6(2021.4.6)
「真空容器セクター#6 をサブセクター組立ツールへ!」(日本語字幕 1:48)では、重さ440tの真空容器セクター(#VVS)#6 が、大型クレーンで吊り上げられ、サブセクター組立ツールに配置されるまでの迫力ある映像がご覧いただけます!
サブセクター組立とは
ITER トカマクは桁違いに重いため、1つの真空容器セクター(VVS)に、2つのTFコイルとサーマルシールドパネルを装着する「サブセクター組立」を行い組み立てていきます。最終的には全部で9つのサブセクター(VVS9つ、TFコイル18つ)が作られ、順次トカマクピットに設置され、サブセクター間を繋ぎ、ドーナツ型のトーラスが完成します。
ポロイダル磁場コイル(PFコイル)#6がトカマクピットに配置
ITERに必要な6つのポロイダル磁場コイル(PFコイル)のうち、二番目に小さく最も重い(直径10m、重量400t)のPFコイル#6は、9つのサブセクター組立・設置・溶接が完了するまで、トカマクピット底部に仮置きされます。
組立ホールに移動するTFコイルとPFコイル#6(2021.3.26)
トカマクピットに配置される前のPFコイル#6(2021.3.26)
移動日前日には、4時間を掛けて吊り上げテストが行われました。
前日に行われた吊り上げテストの様子(2021.4.20)
PFコイル配置前のトカマクピットの様子(2021.4.13)
4/21、いよいよ、直径10m、重量400tのPFコイル#6が、最終目的地のトカマクピットへ大移動を始めます。 組立ホールを横切るため高く吊り上げられています。巡航高度25mに到達するまでに30分をかけ慎重に吊り上げていきます。
ゆっくりと上昇を始めるPFコイル#6。(2021.4.21)
天井クレーンの赤点滅の数字は、4つのフックに吊るされた負荷をリアルタイムに示しています。常にクレーンの負荷を確認しながら作業が進められていきます。
PFコイル#6 は高度25mを保ったまま、組立ホールを横切り、真空容器セクターVVS#6 の上を通過していきます。
もうすぐトカマクピットに到着します!350t のPFコイルを下ろしていく緊張の瞬間です。
PFコイル#6が無事にトカマクピットの底に配置されました。ピット挿入から配置までの作業には約8時間が掛かりました。
トカマクピットに配置された#6(2021.4.21)
ポロイダル磁場コイル(PFコイル)とは
ITER真空容器の周りに配置された6つのPFコイルとD型のTFコイルは、超高温プラズマの形状と安定性を確保するため稼働します。直径17~24メートル、重量200~400tのPFコイル#2#3#4#5は、ITERに輸送するには大きすぎるため、ITER建設サイトのポロイダル磁場コイル巻線建屋で製造されています。
ITERに必要な6つのポロイダル磁場コイル
青い部分がポロイダル磁場コイル
ITER建設サイトにあるポロイダル磁場コイル巻線建屋
ポロイダル磁場コイル巻線建屋では、製造工程①巻取り②含浸③冷却試験を含む様々な試験の3つのステップが一つの建屋で完結出来るようになっています。