原型炉をもっと知る
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原型炉機器名称
- 機器名称
- ブランケット
- 機器説明
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ブランケットと言われる炉内機器は,炉心プラズマを取り囲むように設置されている機器になります.
ブランケットの役割は大きく分けて2つあります.
一つ目は,フュージョン反応で発生した高エネルギーを持つ中性子を受け止めて, 熱に変換する役割です.ここで変換された熱エネルギーを使って,発電や水素製造によって利用できるエネルギーを生成します.
二つ目は,フュージョン反応に用いる燃料である三重水素を生成する役割です. 三重水素を生成する三重水素増殖材(主成分はリチウム)がブランケットの中に装填されており, これに先ほど述べた中性子と反応することで三重水素が生成されます. 生成された三重水素は取り出して,炉心プラズマの燃料として利用されます.
ブランケットの仕組み
原型炉「JA DEMO(ジェイエイ デモ)」のブランケットの主な役割は2つあります。一つ目は、フュージョン反応で出来た中性子の14MeVの運動エネルギーをブランケットで受け止めて、熱エネルギーに変換する役割。
二つ目は、フュージョン反応の燃料の一つである三重水素を前述の中性子を利用して生産する役割。
この2つの重要な役割をしている機器がブランケットというシステムです。
下の図を見てください。
トカマク本体(左上図)の炉心プラズマに面する部分に「四角いブロック状」のものがあります。
この一つ一つが「ブランケットモジュール」というものです。
拡大してみると右図のような形状をしています。 砲弾形状をした「サブモジュール」が集まって構成されています。
最後に、サブモジュール1本(下図)に注目してみます。
サブモジュールは「F82H」(鉄鋼材料)で筐体が作られています。 筐体中に発熱したサブモジュールから熱エネルギーを取り出す「冷却水」が流れています。 また「Li2TiO3ペブル」(三重水素増殖材といいます)のリチウムLiと中性子が反応すすことで、三重水素を生成します。 効率良く三重水素生産を行うため、中性子を増やす役割のBe12Ti(中性子増倍材といいます)も配置されております。 1個の中性子がBe12TiのベリリウムBeと反応すると、中性子が2個に増えることを利用し、効率良く三重水素を生産します。