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原型炉設計合同特別チームの最新情報




電子サイクロトロン加熱/電流駆動に関する設計活動概要論文が刊行2023年08月

原型炉設計合同特別チームの電子サイクロトロン加熱/電流駆動(ECH/ECCD)に関する設計活動の概要論文が発刊されました。
原型炉JA DEMOのECH/ECCDの設計研究は、 摂南大学京都大学九州大学 、 中部大学、 東北大学 、QSTの共同研究を中心に進められております。
具体的には、

  • ・ECCDによる電流駆動効率改善に向けたプラズマ物理検討
  • ・電子サイクロトロン波の入射ランチャー概念
  • ・電子サイクルトロン波の生成源であるジャイロトロン設計・導波管・建屋配置設計
の検討作業が進んでおります。

電子サイクロトロンの詳細については、参考として JT-60Uの電子サイクロトロン加熱システム の全体像を下図に示します。 原型炉では、このシステムの改良・スケールアップを考えております。

(参考文献: Y.Oda, K.Nagasaki, A.Fukuyama, T.Maekawa, H.Idei, K.Yanagihara, S.Kubo, T.Seino, K.Tobita,et al., AIP Conference Proceedings 2984(2023)0300020 )

JT-60UECCD




世界の原型炉のダイバータレビュー論文が刊行2023年06月

原型炉設計合同特別チームの一員であるQSTの朝倉氏が中心となって、 世界の原型炉ダイバータの開発現状をまとめたレビュー論文が刊行されました。
フュージョンエネルギーで初めて発電する原型炉は、日本だけで無く世界各国で検討がすすめられております。 ヨーロッパの「EU DEMO」 日本の「JA DEMO」 中国の「CFETR」 韓国の「K-DEMO」 、 アメリカの「FNSF」等 が検討されております。
レビュー論文では右図にある「ダイバータプラズマ解析」と「ダイバータ工学設計」について、 各国のダイバータ検討の現状を比較しております。
ダイバータに関係する研究に携わっている方は是非ご一読下さい。
(参考文献: N.Asakura et al., Nuclear Materials and Energy35(2023)101446)

ダイバータのPaper内容




フュージョンエネルギーで初めて発電する原型炉JA DEMOの組立2023年05月

JA DEMOは、20m級の大型構造物を組み立てる、世界で最も大きな立体パズルと言っても良いでしょう。
 はじめに、超伝導コイルや真空容器を支持する構造物を設置します。
 次に、下側に配置するポロイダルコイルを設置し、 トロイダルコイルと真空容器が一体となったセクター構造物を 円周方向に順番に設置していきます。 実際には、隣接する真空容器を溶接するという作業が行われます。
 引き続き、一番外側に設置するポロイダルコイルを組み立てていきます。 最後に、装置中心領域にセントラルソレノイドコイルを挿入します。
 次に、真空容器の内側にブランケットとダイバータを設置していきます。 上部ポートから5分割したブランケットを順番に挿入、 下部ポートから3分割したダイバータを順番に挿入します。
 最後に、周辺機器、プラント設備、電源建屋、冷凍機建屋、制御棟、等を設置することで JA DEMOが完成になります。
 同じような組立動画は 実験炉ITERのバージョン もあるので、参考にして下さい。




フュージョンエネルギーで初めて発電する原型炉JA DEMO全体概要2023年04月

フュージョンエネルギー(核融合発電)を日本で初めて実現する発電所JA DEMOでは, 現在ある発電所と同じように,熱エネルギーを電気エネルギーに変換するタービン発電建屋, 受送電電力開閉所,発電プラント制御建屋があります.
フュージョンエネルギー生成設備はトカマクと呼ばれます ( トカマクの説明はこちら を参照下さい). このトカマクを動かすために,超伝導コイル用のコイル電源建屋,コイル冷却建屋があります.
さらに,トカマクを組み立てる際に使う組立建屋, 核融合エネルギーから熱エネルギーを取り出すブランケット等の炉内機器の整備を行うホットセル建屋 ( ブランケットの説明はこちら を参照下さい), 低レベル放射性廃棄物を処理する廃棄物建屋で構成されております.




フュージョンエネルギーで目指すサステイナブルタウンのイメージ作成2023年03月

原型炉設計合同特別チームでは,核融合発電所(JA-DEMO)の概念構築と併せて,太陽光や風力も含めた, サステイナブルな将来のエネルギー技術未来都市のイメージについて検討中です. フュージョンエネルギーでは,燃料(水素)1グラムで,石油約8トンのエネルギーが発生します. これを実現するために,以下のような施設のある将来都市をイメージしております.

  • LiSMIC(Li Separation Method by Ionic Conductor)施設:
    燃料であるリチウム(Li)を海水から回収する設備.LiSMICについては 最近のプレスリリース を参照下さい.

  • スーパーコンピュータ施設:
    将来のフュージョンエネルギーの発電所では,フュージョン反応でエネルギーを生成するプラズマを制御する必要があります. プラズマ運転制御にスーパーコンピューター等の利用が考えられております.詳細は研究中でありますが, 例えば, QSTが共同研究を行っているNTT株式会社様 においては, デジタルツイン技術を用いた運転制御技術 を提案され,研究が進められております.

  • 超伝導コイル組立工場: フュージョンエネルギーを生成する炉心プラズマを閉じ込める強力磁場を発生させるコイルを組み立てる工場です.
    実験炉ITERの超伝導コイルは,三菱重工株式会社様( 詳細はこちら をご参照下さい)や 東芝エネルギーシステム株式会社様( 詳細はこちら をご参照下さい)が製作頂きました. 同じような組立工場施設を想定致しております.

  • 炉内機器組立工場:
    真空容器の内部には,熱エネルギーへの変換や燃料(トリチウム)の生成を行うブランケット, フュージョン反応で発生したヘリウムを排気する役割を担うダイバータが設置されます. それら,ブランケットやダイバータを組み立てる工場を想定致しております.

  • 先進核融合中性子源(A-FNS):
    真空容器内に設置される炉内機器(ブランケットやダイバータ)は,フュージョン反応で発生した高エネルギー中性子の照射を受けます. 炉内機器は定期的に交換するのですが,その交換周期を適切に判断するためには,高エネルギー中性子の照射による材料劣化に関するデータベースを 取得することが必要になります.その目的のために計画されているのが先進核融合中性子源(A-FNS:Adcanced Fusion Neutron Source)になります. 2021年に 核融合中性子源A-FNS概念設計書 が取りまとめられ,現在,建設に向けた設計の詳細化がすすめられております.

  • 排熱利用クリーン水素製造設備:
    発電所で発生する熱エネルギーの一部を利用して,水素を生成する事が選択肢としてあげられております. フュージョンエネルギーはCO2を排出しないので,クリーンな水素を生成できます.

第一壁プラズマ熱負荷への磁性体の影響2019年10月

高温の炉心プラズマから閉じ込め領域外に流出したプラズマは磁力線に沿って移動しダイバータ熱負荷になりますが、一部のプラズマは外側への拡散により第一壁への熱負荷になります。第一壁に使用される低放射化フェライト綱は強磁性体であるため、磁力線構造の変形により熱負荷が影響を受ける可能性があります。
そこで、磁力線トレースに基づく第一壁熱負荷コードに磁性体効果を追加しました。直方体の増殖ブランケットモジュールを並べた単純な場合には、熱負荷が数倍になることが分かりました。今後、熱負荷を低減させるための第一壁形状の検討を進める予定です。

磁性体の影響

中国工学試験炉CFETR開発の動向2019年10月

中国科学院プラズマ物理研究所(ASIPP)の招請を受け、CFETR設計統合年会(9/24-27,黄山大学にて開催)に参加し日本の原型炉開発について講演を行った。核融合炉工学に関する国際シンポジウムISFNT(ブダペスト)と同時期の開催であったが、中国内の研究所、大学、メーカー等から約900名の参加があり、1)全体設計・工学設計、2)物理設計、3)核設計・安全性、4)補機システム、5)データベースの5分野について熱心な討論が繰り広げられた。CFETR工学設計のために1000億円規模の予算が確保され(ITER予算とは別枠)、向こう56ヵ月で工学設計の完了とR&D施設の整備を進める計画。既にASIPPから1.5kmの場所に40ヘクタールのR&D用地が確保され、超伝導、ダイバータ、遠隔保守等の施設と試験機器の整備を行う。核融合は学生に特に人気の高い分野とのことで、参加者の過半数は核融合を勉強中の学生であった。中国科学院・院士(科学アカデミー委員)の李建剛(JiangangLi)氏は「今年は建国70周年。2050年には建国100周年の祝賀イベントとしてCFETRでの核融合発電を成功させよう」と力強いメッセージを述べた。(QST飛田健次記)

第一壁冷却水噴出時の真空容器圧力上昇の緩和2019年9月

真空容器の内側には増殖ブランケットモジュールがダイバータ領域を除くほぼ全面に設置され、そのプラズマ対向面側は第一壁と呼ばれ右図に示すように冷却水(15.5MPa,300℃)が流れています。増殖ブランケットモジュールは上下方向にマニホールド管で接続しており、プラズマディスラプション等に起因して、この冷却水が噴出すると真空容器が加圧されてしまいます。そのため、NBIポートを通してサプレッションチェンバに圧力を逃して緩和します。このような事象を熱水力過渡解析コードにより分析しました。その際、増殖ブランケットモジュールとマニホールド管の接続など、冷却管の流路を詳細にモデル化しました。その結果、破断箇所が外側赤道面周長の80%以下であれば、真空容器の最大到達圧力は設計許容圧力(0.5MPa)以下になることが分かりました。また、冷却管のピッチ幅を現状値11mmから18mmに拡げることで仮に全周破断しても設計許容圧力以下になることが分かりました。今後、ピッチ幅を変更した場合の除熱特性やトリチウム生産等への影響を評価して設計の最適化を進めます。

ブランケットモジュール

第14回核融合炉技術に関する国際シンポジウム(ISFNT-14)2019年9月

標記のシンポジウムが9月23-27日にハンガリーの首都ブダペストで開催されました。500名以上の参加者のうち日本から約80名と最も多く、日本のアクティビティの高さが分かります。また、各国の原型炉R&Dに向けた実験装置の建設が現実味を増してきています。例えば、中国のCFETR、イタリアのDTT等が挙げられ、DTTはダイバータ試験を主目的とした超伝導トカマク装置であり2025年に初プラズマを計画しています。中性子源では日本(A-FNS)や欧州(IFMIF-DONES)の他、中国では直線型中性子源計画についてロシアと協定を締結したそうです。さらに、各国でプラズマ材料照射試験装置の計画が進行中していました。次回の同シンポジウムは中国の合肥で開催されます。(写真は染谷氏の講演)

シンポジウムの様子

トリチウム諸課題検討WG第2回会合を開催2019年9月

9月17日、標記の会合を開催し32名が出席しました。原子炉施設でのトリチウム放出管理目標値の設定手順の例について情報を共有し、原型炉での放出管理の考え方について議論しました。また、過去に原研がトリチウムをカナダから輸送した際の貴重な経験を紹介頂き、原型炉のトリチウム確保における課題について議論しました。なかなかレアな情報が共有されたこともあり、全体を通して活発な議論が行われました。

議論の様子

増殖ブランケットの中性子増倍材候補の比較2019年8月

増殖ブランケットには、化学的に安定な中性子増倍材であるベリライドとトリチウム増殖材の混合ペブルを充填します。ベリライドとしてBe12Ti、Be12V、Be13Zrの開発が進められており、これら3種類のベリライドによるトリチウム増殖比(TBR)と放射化特性を評価しました。TBRについては僅かな差ですがBe12Vで最も高い値が得られることが分かりました(右図)。これは、TiはVやZrに比べてトリチウム生産に寄与する熱中性子の吸収断面積が高いこと、ZrはVやTiに比べて中性子増倍に寄与する高エネルギー中性子の非弾性散乱断面積が高いためと考えられます。放射化特性については、ほぼ同じ放射能レベルに2年程度で減衰することが分かりました。ブランケットはホットセルで6年程度保管するため、ベリライドの放射化は問題になりません。今後は、コストや大量生産も念頭に増殖ブランケットに充填するベリライドの検討を進めます。

増殖ブランケットの中性子増倍材候補の比較図

タスクフォース委員がQST六ヶ所研を訪問2019年8月

8月1日、第11回原型炉開発戦略会合を開催し、文部科学省の原型炉開発総合戦略タスクフォース委員8名がQST六ヶ所研を訪問しました。会合では、原型炉に向けた六ヶ所研の取り組み状況として、特別チームを中心とした原型炉概念設計活動、炉工学R&D活動、BA活動のIFMIF/EVEADA事業や強力中性子源(A-FNS)、IFERC事業のITER遠隔実験や理論シミュレーション等の活動状況と今後の展望について報告、意見交換を行いました。また、六ヶ所研の各研究施設の見学も行われました。

参加者集合写真

共同研究の会合を開催2019年8月

8月30日、共同研究「原型炉における熱・粒子制御に関する物理課題の検討とモデル化(研究代表者:田中宏彦(名古屋大)」の会合を慶應義塾大学日吉キャンパスで開催しました。会合には20名程度の共同研究者が集い、約半数は学生さん!で若々しい会合でした。ダイバータ非接触プラズマにおける光吸収過程の影響やモデリング・コード開発を中心に議論されました。学生さんの発表に対しても活発な議論が展開され、共同研究を通して将来の人材育成に繋がっていることを実感できる会合でした。

会合写真

第10回全体会合を開催2019年7月

7月11-12日、QST六ヶ所研にて第10回全体会合を開催しました。50名以上(産業界14名、大学等19名、QST~20名)に参加頂きました。核融合科学技術委員会主査の小川雄一先生と原型炉開発総合戦略タスクフォース主査の岡野邦彦先生にも参加頂き、中間C&Rに向けた特別チームの取組方針、報告書の目次案、設計根拠集、WBS再構築について議論しました。また、各設計グループ報告に加え、共同研究の成果・計画について研究代表者の方々にご報告頂きました。今回、2日間にわたる宇藤裕康氏の名司会ぶりが好評でした。

会合の様子

増殖ブランケットで生産したトリチウムの回収2019年7月

増殖ブランケットの増殖エリアにはトリチウム増殖材(Φ0.2mm)と中性子増倍材(Φ2mm)のペブルを混合充填(充填率~80%)し、そこで生産したトリチウムはHeパージガスを介して回収します。現在、パージガスをどの位置からどの程度の流速で導入することで、トリチウム分圧や圧力損失がどのようになるか流動解析を行っています。ハニカム型ブランケットの1区画に3本のパージガス管を設置し第一壁側からパージガスを流速20m/s で導入した場合、出口でのトリチウム濃度は1.4Paですが、圧力損失が60kPaまで増大するため、流入口の数を増やす等の対策を検討しています。

トリチウムの回収イメージ図

共同研究調整サブグループ会合2019年7月

7月26日、第3回共同研究調整サブグループ会合を開催しました。サブグループの役割は、QSTとNIFSで実施している原型炉研究開発に係わる共同研究の公募テーマの調整を行うことです。今回の会合では、令和2年度の新規公募テーマについて議論しました。NIFSからは課題指定型の公募テーマについて、QSTから炉設計/構造材料/理論シミュレーションの各分野のプロジェクトオフィサーから新規公募テーマ案が説明され、議論を行いました。共同研究の公募は12月を予定しています。また、今年度に実施した共同研究については、来年の夏頃にQST/NIFS合同成果報告会を開催する予定で、その議事次第なども協議しました。

共同研究調整サブグループ会合の様子

炉構造と整合する誤差磁場補正コイル2019年6月

超伝導コイルの製作・設置の誤差により生じた誤差磁場は、補正コイルを用いて許容値内に収まるようにする必要があります。原型炉では、大口径の保守用ポートや加熱機器用ポートと干渉しないように設 置した上で、要求誤差磁場値0.1mT以下にします。今回、補正コイルをポロイダル方向に3分割(上部、水平部、下部)、トロイダル方向に6分割(トロイダル方向の補正コイル本数)とした場合の検討を行いま した。今回の検討で、トロイダル方向に6分割した補正コイルに対し、トロイダル長さが均一の場合とTFコイルに沿わせて不均一となる場合(TFコイルが16本に対して、補正コイルがトロイダル方向に6分 割のため)において、誤差磁場補正に必要な電流値に大きな違いがないことが分かり、要求誤差磁場値の達成に必要な補正コイル電流値もITERの補正コイルと同程度で良いことが示されました。

炉構造と整合する誤差磁場補正コイルイメージ図

文部科学省の委員会情報2019年6月

核融合科学技術委員会の第17回会合が5月15日に開催され、今期の委員会にて「第一回中間C&Rについて」が議論される予定です。また、原型炉開発総合戦略タスクフォースの第18回会合が6月6日に開催され、特別チームのH30年度活動報告・令和元年度活動計画が報告されました。今期のタスクフォースでは、主にアクションプランの進捗管理、国内機関の取組に関する検討(特別チーム活動、大学等の連携)が実施されます。 詳細は、文部科学省のホームページ(研究計画・評価分科会)を参照下さい(配付資料、議事録が公開されます)。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/index.html

BA原型炉設計活動第33回タスク会合2019年6月

日本の原型炉概念設計は特別チームを中心に推進していますが、その他に幅広いアプローチ(BA)活動の下で実施中の原型炉設計活動があり、2011年から日欧共通の設計課題について日欧共同作業を 実施しています。6月4-7日に第33回タスク会合がドイツのマックスプランクプラズマ物理研究所内に設置されたEUROfusionオフィスで開催されました。今回は、冷却水放射化の評価・対策や超伝導コイル設計基準、等のワーキングセッションに加えて、今年度末までにまとめる予定の最終報告書の内容について協議されました。

ドイツのマックスプランクプラズマ物理研究所にて

原型炉本体を取り囲む冷却配管やNBIの配置図を作成2019年5月

原型炉のブランケットやダイバータからタービンまでの冷却配管およびNBIのCAD配置図を作成しました。ブランケットモジュールから出発した冷却水は、バックプレート背面に設置したマニホールド管で合流し、トカマク上部に配置したリングヘッダーを介して中間熱交換器に輸送され、発電系に熱を伝えてブランケットモジュールに戻されます。今後、中性子による冷却水の放射化(16N,17N生成)によって生体遮蔽の外側に配置する遮断弁等の補機類への線量率を低減するための対策を検討する予定です。

原型炉本体を取り囲む冷却配管やNBIの配置図

ハイブリッド型CSコイルによる供給磁束の増大2019年5月

Nb3Sn導体を用いた従来型CSコイルに対し、磁場が増加するコイル内側に高磁場下でも高い電流密度が得られるNb3Al線材や高温超伝導線材の導体を巻く「ハイブリッド型CS」を用いた場合の供給磁束の増大効果を評価しました。原型炉は定常運転であるため、繰り返し荷重による許容応力値の減少をITERよりも抑制できると仮定すると、最大で約30%の供給磁束の増加を見込めることが分かりました。今後は、ハイブリッド型CSコイルの技術的実現性を検証するため、交流損失等を考慮した導体設計、プラズマ運転を考慮した各コイルユニットの成立性の確認などを行う予定です。

ハイブリッド型CSコイルによる供給:表

原型炉パラメータ検討ワーキンググループの第2回会合を開催2019年5月

5/28(火)に原型炉パラメータ検討WGの第2回会合をQST那珂核融合研究所で開催しました。JT-60SAチームの専門家にも参加頂き、高ベータプラズマ安定化およびELM制御に関する検討班の設置と今後の活動内容案について協議しました。また、建設が着々と進んでいるJT-60SA装置を見学させて頂きました。(参加者28名)

第2回会合の様子