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Masaji Yoshikawa Memorial Prize for Fusion Energy

2018 Award Winners Masaji Yoshikawa Memorial Prize for Fusion Energy

| 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |

2018 Masaji Yoshikawa Memorial Prize for Fusion Energy Award Winners

The prize aimed at manifesting excellent achievements in the following activities performed worldwide by young people. In FY2018, 7 application (Activity category 1): 1 application, 2): 5 applications, 3): 1 application) have been received.

1) Research and technology development activities directly related to ITER project or BA activities
2) Fundamental investigation, research and technology development activities for realization of fusion energy
3) Investigation and research activities on the scenario development for realization of fusion energy in long time range viewpoint.
4) Public cooperation and contribution, education, publicity and edification activities about the fusion energy research.

Finally, the Steering Committee of FEFJ has selected 2 winners (Activity category 1): 1 winner, Activity category 3) :1 winner). Award ceremony was held in the Plenary Meeting of FEFJ (13, Feb., 2019 in Tohoku University)

The Steering Committee members for 2018 are Prof. Satoshi Konishi (Chair, Kyoto University),Assoc. Prof. Hideya Nakanishi (National Institute for Fusion Science) , Dr. Yoshiteru Sakamoto (National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology), Prof. Tomoaki Kunugi (Kyoto University), Prof. Naoyuki Hashimoto (Hokkaido University), Prof. Nagata Masayoshi (University of Hyogo), Prof. Kunihiko Okano (Keio University), Dr. Masatoshi Yagi (National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology)


記念写真

受賞者の紹介

研究助成テーマ:

「エネルギーシナリオ分析による核融合エネルギー開発戦略の提言」

選考理由:

核融合炉で発生が懸念される非定常熱負荷による壁面の損耗を、蒸気遮蔽効果を組み込んで予測するシミュレーション研究であり、内容、応募者の資質ともに優れている。ディスラプションやELM(Edge Localized Mode)等による壁面への非定常熱負荷発生時には、壁材料の溶融、蒸発が起こり固相・液相・気層・プラズマ層が強く相互作用する重層構造が形成されるため、既存のプラズマ・壁相互作用モデルだけでは現象のシミュレーションは困難であった。伊庭野氏は、重み付きPIC(Particle-In-Cell)法を用いた新しい手法を開発することで、不純物密度の急激な増加に対応可能であるとともに壁近傍のシースポテンシャル変動の効果を組み込んだ蒸気遮蔽シミュレーションを成功させた。本計画では、プラズマガンを用いた過渡的熱負荷実験の結果とシミュレーションとの整合性の検証と、これまで開発したシミュレーションにプラズマ・壁相互作用モデルを追加し、蒸気遮蔽に関するシミュレーションを進展させる。蒸気遮蔽効果を組み込んだ壁の損耗予測を高度化することで、核融合炉の運転条件の決定及び設計研究に対して大きな貢献が期待でき、選考委員全員高く評価した。

魏 啓為氏

優秀賞 (研究助成 20万円)
魏 啓為 氏(地球環境産業技術研究機構)


受賞者の抱負:

この度は栄誉ある賞を頂きまして、誠にありがとうございます。この場をおかりしまして、共同研究者の量子科学技術研究開発機構の方々をはじめ、ご指導賜っている諸先生方、弊所システム研究グループの皆様に、深く感謝を申し上げます。 21世紀後半の実現を目指す核融合エネルギーが広く普及するためには、将来時点において時宜を得た技術であることが不可欠です。長期の研究開発を行うための継続的な投資を呼び込み、実用化とその先への道筋を描くためには、エネルギーを取り巻く社会情勢・技術動向とその変化を理解し、シナリオ分析によって将来に向けた戦略を議論し、それを定期的に精査・更新することが肝要と考えております。特に核融合炉はそれ一基が大規模かつ複雑であり、建設が長期に渡るため、原型炉計画の段階で社会受容性を備えた商用炉を見据えた開発戦略を持つことが重要となります。 本研究では、エネルギーシナリオ分析による核融合エネルギー開発の長期戦略の提言を目的とし、長期シナリオにおける役割と目指すべき経済的開発目標を、社会における多様な開発目標と様々な不確実性を考慮して分析し、戦略的含意を得てまいりました。今後とも、皆様方のご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。


研究助成テーマ:

「国際核融合材料照射施設(International Fusion Material Irradiation Facility, IFMIF)の放射線工学設計と原型加速器の工学実証活動」

選考理由:

核融合炉の液体金属ブランケットに関して、化学的に安定で熱的特性に優れた燃料増殖材の開発を進めるものであり、内容、応募者の資質ともに優れている。液体鉛リチウム合金は、その化学的安定性等により燃料増殖材として期待されているが、鉄鋼材料との共存性(腐食と熱流動特性の問題)に課題があった。近藤氏は、この課題解決のためには液体鉛リチウムの高純度化が重要であることに着眼し、液体鉛リチウム内の溶存窒素濃度の低減により腐食特性を大きく改善できることを明らかにするとともに、世界最高レベルの超高純度鉛リチウム合金の合成に成功するなど、成果を着実に積み上げてきている。本計画では、静止場腐食試験により窒素濃度が極めて低い条件における鋼材からのクロム溶出挙動の解明ならびに攪拌流動場腐食試験により液体鉛リチウムの高純度化によるエロージョン抑制効果の解明と超高純度鉛リチウム合金の伝熱特性評価を行う。これまでの着実な研究実績と、核融合炉の液体ブランケット設計研究への大きな貢献が期待でき、選考委員全員高く評価した。

近藤 恵太郎 氏

奨励賞 (研究助成 10万円)
近藤 恵太郎氏(量子科学技術研究開発機構)


受賞者の抱負:

この度は、栄えある吉川允二核融合エネルギー奨励賞の受賞の栄誉を賜り、誠に光栄に存じております。私は2010年12月からドイツKITでIFMIFの工学設計活動に関わり、その後、2014年6月からは量研六ヶ所研に移り、IFMIF原型加速器の実証試験に取り組んで来ました。KITで仕事を始めた当時は博士課程を修了してまだ2年の若輩であり、大規模な設計計算の経験などなく、不安とプレッシャーの中で仕事を進めていたことを思い出します。当時の上司、同僚や家族の協力と励ましがあったからこそ、仕事を完遂することができたと思います。一方、現在取り組んでいる原型加速器の研究開発は、欧州の様々な国々から送られてきた構成機器を組み上げ、一つの加速器として動かすという、誰も経験したことのない困難な仕事です。ここ青森の地で、これまでの欧州での経験を元に、さらに日本人にしかできない国際貢献の形を模索しています。今回の受賞は、私のみならず、多くの同僚、六ヶ所で共にプロジェクトを進める多数の欧州スタッフにとっても励みとなるものです。我々は、世界最大電流を加速する加速器を実現するべく、毎日困難な取り組みを続けています。これからの六ヶ所研における研究開発の進展にご注目いただき、ご指導ご鞭撻を賜れればと思います。