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吉川允二核融合エネルギー奨励賞

過去の受賞者紹介

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平成27年度 吉川允二核融合エネルギー奨励賞 受賞者紹介

ITER計画や幅広いアプローチ(BA)活動などに代表される未来の核融合エネルギーの実現に寄与しうる内外の研究・技術開発や調査研究の中で、若手人材による優れた成果かつ優れた成果が見込まれる活動を顕彰することを目的とした吉川允二核融合エネルギー奨励賞において、以下の受賞対象分野、

① ITERやBAに直接関わる研究開発活動など
② 上記以外で核融合エネルギーの実現に必要な研究開発活動、または将来これらの研究開発に寄与すると見込まれる内外の基礎的・基盤的な研究開発活動など
③ 長期的な視野に立って核融合エネルギーの実用化に向けたシナリオ作成に寄与する調査研究活動など

に対し、平成27年度は、3件の応募がありました(①:3件)。選考委員会において厳正な審査を行い、調整委員会は授賞候補2件(①:2件)を推薦することとし、運営会議で優秀賞2件が決定されました。授賞式は、第9回全体会合(平成28年2月22日、イイノホール)において執り行いました。

核融合エネルギーフォーラムの推薦に基づいて、受賞者には今後の発展のために研究助成金が国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)から配賦されました。

平成27年度の選考委員は次の方々です(敬称略)。

岡野 邦彦(委員長、慶應義塾大学)、木村 晃彦(京都大学)、松岡 啓介(核融合科学研究所)、
藤堂  泰(核融合科学研究所)、坂本 宜照(原子力機構)、坂本 瑞樹(筑波大学)、以上6名。

受賞者の紹介

研究助成テーマ:

「核融合炉先進中性子増倍材の資源循環技術開発研究」

選考理由:

金氏は、水冷却ブランケットにおいて必須の中性子増倍材として、ベリリウムより高温下で化学的な安定性に優れたベリライドの開発を行ってきた。その直接造粒のための技術開発を行い、様々な苦労と工夫を経て、プラズマ焼結合成法を考案した。これはベリライド実用化への見通しを得た重要な成果であるが、その開発を担ってきた業績が高く評価された。さらに今後に向けた新しい提案として、希少金属であるベリリウムをブランケットから回収して再利用する道を開く研究を提案している。これは容易なものではないが、将来は必ず必要となるものである。提案書での研究提案も具体的であり、ベリリウムリサイクルに向けた今後の成果が大いに期待できる。

優秀賞 (研究助成 80万円)
受賞者 金 宰煥 氏(日本原子力研究開発機構)

受賞者の抱負:

平成27年度吉川允二核融合エネルギー奨励賞という栄誉のある賞を頂き、誠にありがとうございます。ごあいさつにあたり、研究を遂行する上でこれまで指導して下さった先生方、共に研究開発に取り組んでいる研究者、意見者の方々、本審査の審査員方を含む関係者の皆様に深く感謝申し上げます。本研究テーマは核融合炉先進中性子増倍材の資源循環技術開発研究として、レアメタルの一種であるベリリウムを含む使用済先進中性子増倍材の資源循環技術を確立することと、この資源に乏しい日本における核融合炉の長期安定稼働に貢献するため、実施することを目的とする研究であります。過酷な環境での使用済み中性子増倍材の場合は、表面酸化が起きると想定されますが、再使用するためには、その酸化物量が造粒収率及び反応性を含んだ諸特性に与える影響を調べ、データベースを構築しなければなりません。今現在、再使用技術開発に必要不可欠であるプラズマ焼結法もしくは回転電極法による不純物除去条件を探索中であり、酸化物量による保持特性評価等を行ない、データの取得に取組んでいるところであります。今後、ITERの建設、さらには原型炉の早期実現に向けて重要な研究開発に参加できることに感謝しつつ、ベリライド開発及びその波及技術を発展させ、BAやITER-TBM活動へ貢献するとともに、日本における原型炉開発の主導的役割りを担いたいと思っております。


研究助成テーマ:

「周波数可変型大電力・長パルスジャイロトロンの開発」

選考理由:

小林氏は、ジャイロトロンの開発に取り組んできており、単管1MWと大出力でありながら、100秒連続発振を2つの周波数で実現するジャイロトロンの開発を行った。これはJT-60SAに向けた非常に大きな成果であり、また、原型炉に向けた大電力長パルスジャイロトロンの複数周波数化へ向けた開発を大きく進展させる成果であり、その開発において中心的な役割を果たしてきた業績が高く評価された。さらに今後の提案として、2周波数型とは異なる様々な工夫が必須となる多段階周波数可変型ジャイロトロンの開発を提案している。提案はアイデアに富み、周波数可変ジャイロトロンの開発への大きなステップになるもので、今後の成果が大いに期待できる。

優秀賞 (研究助成 80万円)
受賞者 小林 貴之 氏(日本原子力研究開発機構)

受賞者の抱負:

平成27年度吉川允二核融合エネルギー奨励賞「優秀賞」を頂きありがとうございます。本研究開発を進めるにあたり、ご指導、ご協力頂いた皆様に深く感謝申し上げます。電子サイクロトロン加熱に用いるミリ波源「ジャイロトロン」は、従来、単一周波数でしか1MW級の高出力で長パルス運転が出来ませんでした。しかし、JT-60SAにおいて幅広いトロイダル磁場条件下で高性能プラズマの研究を行うためには、二つの周波数を選択的に出力できる、高出力・長パルスジャイロトロンが求められていました。今回、原子力機構がITERやJT-60向けに開発してきた3極型ジャイロトロンの特徴を活かして110GHzと138GHzの 2周波数で高効率発振を実現し、世界で初めて2周波数で1MW/100秒の発振を得ることに成功してJT-60SAに向けた開発目標を達成しました。今後は、JT-60SAに向けて装置の更なる高性能化を目指すとともに、今回の成果を発展させて、原型炉に向けた周波数可変型ジャイロトロンの開発に取り組み、核融合エネルギーの実現に貢献したいと思います。引き続き、皆様のご指導、お力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。