ブランケット研究開発部

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核融合炉燃料のトリチウムは、自然界にほとんど存在しないため、リチウムを含む微小球に中性子をあてて、人工的に製造する必要があります。
また、発電に使用する熱は、プラズマで発生する熱だけでなく、トリチウムを製造する際に発生する熱も利用します。

トリチウム製造と、発電のための熱を発生させる場所は、プラズマの周りを覆う、ブランケットという箱の中で行われます。
ブランケット研究開発部では、核融合炉で重要な役割を果たす、1)ブランケットの設計、2)ブランケット内に充填する材料、3)トリチウムの回収と供給、に関する研究開発を行っています。

ブランケットの設計(ブランケット工学研究グループ)

プラズマの周りを囲む400~500個のブランケットとよばれる箱は、核融合炉から発電に必要な熱を取り出すとともに、核融合炉の燃料(トリチウム)も製造する、重要な機器です。
効率的に発電や燃料(トリチウム)製造ができるように、ブランケットの設計を行っています。

また、プラズマで発生する中性子が核融合炉の外に逃げないよう、中性子の遮蔽の役割も担います。

現在、フランスに核融合の実験炉(ITER)が建設中です。
我々は、その実験炉にブランケットを持ち込み、発電や燃料(トリチウム)製造の試験を行うための準備を行っています。

この試験用のブランケットは、ITERテストブランケットモジュールという名前で、このブランケットの中には、発電に必要な熱や、核融合炉燃料のトリチウムを製造するため、チタン酸リチウム(Li2TiO3)や、ベリリウム(Be)の球を入れます。

実規模のテストブランケットモジュールを製作し、フランスの核融合実験炉(ITER)に持ち込む準備をしています。

ITERでは、EU、中国、韓国、インドもテストブランケットモジュールによる試験を行うため、日本のブランケットが世界一の性能を発揮できるよう、設計と製作活動を行っています。

充填する材料選定(増殖機能材料開発グループ)

核融合炉の内部はプラズマ状態になり、プラズマを取り囲んでいるところをブランケットと呼びます。
そのブランケットは、トリチウム生産、発電、中性子遮蔽の役割を果しており、その中には、ブランケットの中に、中性子増倍材やトリチウム増殖材が充填されています。
高密度充填のため、そして、熱応力割れ低減のため、直径1mm程度の微小球にして、層状に配置されています。

核融合炉では、重水素と三重水素(トリチウム)を燃料として、核融合反応を発生させます。
重水素は海水からほぼ無尽蔵に回収することができますが、トリチウムは自然界にほとんど存在しません。
そこで、核融合炉で発生した中性子を、中性子増倍材(ベリリウム)に当てて中性子の量を増やし、その中性子とトリチウム増殖材(リチウム)の反応により、トリチウムを生産します。
リチウムは、将来的に海水から回収できれば、ほぼ無尽蔵に存在する元素のため、核融合炉の燃料は、ほぼ無尽蔵に存在すると言えます。

中性子増倍材の製造について説明します。
従来のBe球よりも優れた特性を有する先進中性子増倍材として、ベリライド(Be12Ti等)の微小球製造に関する技術開発を行っています。
ベリライドのロッド(棒)を回転させながら上部をアーク放電で溶かし、溶けたベリライドを遠心力で飛ばして微小球の状態に加工します。
この製造法は特許を出願しており、世界的にも、ベリライド微小球の大量製造に適した、唯一の方法です。

次に、トリチウム増殖材料の製造について説明します。

トリチウム増殖材料(リチウム含有セラミックス)の粉末を、水の中でスラリー状態にします。

2つの注射器には、このスラリーと油を入れ、スラリーの流れる速度は油の速度よりも遅くすることで、T字型流路にて、球状に成形します。

この手法はエマルジョン法と呼ばれ、トリチウム増殖材料の微小球を、安価に大量製造できる、日本独自の技術です。

トリチウムの回収と供給(トリチウム工学研究グループ)

量子機構と原子力機構の施設内で、核融合炉の燃料サイクルと、トリチウム安全取扱に関する研究を行っています。
具体的には、以下の3つのテーマを中心に、活動しています。
1) フランスに建設中の核融合実験炉(ITER)の安全上の要である、トリチウム除去系の調達活動(特に性能確証試験)
2) BA活動:原型炉設計R&D活動のトリチウムタスクを中心的に遂行
3) トリチウムに係る基礎基盤研究も実施

核融合炉内に供給した燃料ガス(重水素・トリチウム)のうち、プラズマ反応に使用しなかったトリチウムを排気し、これを処理して、再び核融合炉内にトリチウムを供給するシステムを「燃料サイクルシステム」と呼びます。

研究開発により、システム全体構成の確立と、個々のシステム技術の原理実証を完了し、実機システムの実現に着手できる段階まで、技術レベルが上がりました。

核融合炉燃料のトリチウムを安全に取り扱う技術開発を行っています。

これまで、トリチウムの 安全閉じ込め、空間挙動、計量管理、材料との相互作用、耐久性、除染、廃棄物処理、等の研究開発を実施し、安全取扱実績を蓄積しています。

フランスに建設中の核融合実験炉ITERへの貢献としては、トリチウム除去設備(DS)の調達活動を行っています。

この装置は、ITERの安全上の要の装置で、ITER機構と共同で、最終設計、製作、現地据付を行うと共に、別途性能確証試験を日本にて実施しています。

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